ヤマハ発動機(Yamaha)は3月3日、欧州市場における新戦略の「Switch ON」を発表した。複数の新型電動モデルを欧州市場に投入する計画だ。
エンジン出力50cc と125ccに相当する2台の新型電動スクーター
ヤマハは今後数週間以内に、欧州市場で新型『NEOS』を発売する予定だ。新型NEOSは、2019年秋の東京モーターショー2019で初公開された『E02』プロトタイプの市販バージョンに位置付けられる。E02は、小型・軽量で扱いやすいライトなボディに、手軽な着脱式のバッテリーを搭載していた。E02のコンセプトを継承する新型NEOSは、スマートでアクセスしやすく、高品質のエンジン出力50cc相当の電動スクーターになる。
さらに、ヤマハの最新のエンジニアリングとテクノロジーを搭載したヤマハ初のエンジン出力125cc相当の電動スクーターが、欧州市場に登場する。これは、東京モーターショー2019で初公開された『E01』プロトタイプから、派生する新型モデルだ。
E01は、都市間を快適に移動できる余裕を備え、急速充電にも対応した都市型コミューターだった。このE01から派生する新型モデルは、ヤマハがスクーターのシェアリングサービスを手がけるパートナーとともに、ヨーロッパの主要都市で展開する「Proof of Concept」活動の主役になるという。
自社ブランドの3台の新しいeバイクを欧州で発売へ
ヤマハは1990年代初頭、世界初の量産eバイク(電動アシスト自転車)の基礎となった最初のパワーアシストシステム「PAS」を開発した。以来、電動アシスト自転車の開発において、長い歴史を持つ。ヤマハはeバイク向けの軽量コンパクトな電動ドライブユニットの開発の最前線に立っており、30年間で約700万台を生産している。
ここ数年、eバイクに対する需要は飛躍的に伸びており、2021年にはヨーロッパで500万台以上が販売され、その多くにヤマハ製の電動ドライブユニットが搭載された。これを受けて、ヤマハは電動ドライブユニット生産能力を拡大し、ヨーロッパで電動ドライブユニットの現地生産を行うことを決定した。
ヤマハは現在、多くの自転車メーカーに向けて、最新の電動ドライブユニットシステムの開発に取り組んでいる。その一方で、「オールマウンテン」、「グラベル」、「アーバン」の各セグメントにおいて、自社ブランドの3台の新しいeバイクを欧州市場で発売する計画だ。3台の詳細は、今夏発表される予定。3台の新しいヤマハeバイクは2022年末までに、ヤマハの「Powered Two Wheeler」ネットワークを通じて発売され、2023年にヨーロッパのディストリビューターのセットアップを完了させることを目指している。
原付とeバイクにアーバンテレーン性能を組み合わせたコンセプト『B01』
さらにヤマハは、あらゆるクラスの電動都市モビリティにおける将来の可能性を強調するために、コンセプトモデルの『B01』を発表した。これは、eバイクの「S-Pedelec」機能と、原付の性能、すべてのアーバンテレーン性能をインテリジェントに組み合わせた新しいハイブリッドプロトタイプになるという。
B01は、現時点ではコンセプトモデルだ。ヤマハモーターヨーロッパが、長年のパートナーのファンティックモーター、モトリミナレッリの2社と共同開発した。B01は量産モデルへと進化する予定で、B01が市販されれば、ヤマハの電動アシスト自転車のラインナップがさらに拡大することになる、としている。
「eバイク」と原付のハイブリッドを市販化へ、ヤマハ電動モビリティの新戦略…電動スクーター『NEOS』予告も
2022年03月04日(金) 09時33分
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