競馬の重賞レースに例えると、先行していた1番人気の本命馬が、直線手前の第四コーナーで落馬して曲がり切れずに大失速したため、二番人気の対抗馬が抜け出してそのままゴールを駆け抜けたようなものだろう。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2023年度の軽自動車の国内新車販売台数によると、ダイハツ工業が軽自動車の国内シェアで18年ぶりに首位から陥落したそうだ。
ダイハツは認証検査不正による出荷停止が響き、前年度比21.6%減の44万3694台に落ち込んだ一方で、スズキは同7%増の55万2251台となり、久しぶりに首位に返り咲いたという。
きょうの各紙も経済面などで報じているが、読売と日経の2紙は「スズキ、18年ぶり軽首位」を大見出し。一方で、朝日、毎日、産経、東京は「ダイハツが首位陥落」をメインタイトルに取り上げている。
このうち、日経によると、ダイハツとスズキが明暗を分けたのは、24年1〜3月期。ダイハツでは、23年12月に完成車の認証検査を巡る大規模な不正を受けて、国土交通省は全ての車種の出荷停止を指示した影響で、前年同期比74%減の4万3196台と低迷。3カ月ごとの四半期ベースの販売台数では4位まで下がった。
一方、漁夫の利を得たスズキは1〜3月期で14%増の16万5189台に伸び、四半期ベースでは21年以来3年ぶりに首位を奪取。23年秋に主力の軽『スペーシア』を全面改良したことも寄与したという。
思えば、軽自動車市場では長年、スズキとダイハツの2強が首位の座を競って消耗戦を繰り広げてきた。が、リーマン危機などによる国内景気の低迷を契機に、当時のスズキの鈴木修会長が「お行儀の悪い売り方はいかがなものか」とシェア争いから離脱宣言。それ以降、ダイハツが首位を走り続けてきたが、今回、スズキが18年ぶりに首位に返り咲いたとはいえ、ペナルティで“途中退場”のチームが相手では素直に喜べない。
2024年4月2日付
●車生産減景況感悪化、日銀短観、製造業4期ぶり、非製造業は改善(読売・2面)
●JR北運賃8%上げ、車両修繕費・人件費高騰、来年4月、37億円増収見込む(読売・2面)
●スズキ、18年ぶり軽首位、23年度販売数、ダイハツ認証不正響き2位(読売・7面)
●長距離輸送苦渋の撤退も、運転手の残業規制始まる(朝日・1面)
●主張、ライドシェア、安全守りつつ定着目指せ(産経・2面)
●「コロナ後」再浮上へ新戦力、新年度スタート各地で入社式(産経・10面)
●首相と二階氏処分なし「裏金」39人が党紀委対象(東京・1面)
●米国EVブームに陰り、業界も投資縮小、優遇策も大統領選次第(日経・3面)
●株式分割、株高支える、23年度6割増、三菱重工やスズキ、NISA個人に的(日経・1面)
●ダイハツ、禊は済んだか、「私の知る会社ではない」(日経・2面)
2023年度「軽」新車販売、“途中退場”のダイハツ抜きスズキが18年ぶり首位[新聞ウォッチ]
2024年04月02日(火) 08時00分
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