日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》

日産自動車の欧州部門は2月14日、小型SUV『ジューク』(Nissan Juke)の改良新型を発表した。日本市場でヒットした初代に続いて、欧州で2019年に発表された2代目が、初の本格改良を受けている。


◆新グレードの「Nスポーツ」を追加
改良新型には、初代で好評を博したイエローのボディカラーを、顧客の要望を受けて復活させた。新色のイエローは、初代ジュークとは色合いが異なる。初代ジュークに採用されていたものと比べると、新しいイエローはやや淡い色合いで、よりモダンでインパクトのある外観となっているという。

また、改良新型には、エクステリアとインテリアでジュークのダイナミックさを強調する「Nスポーツ」という新グレードが追加された。

新グレードの「Nスポーツ」では、イエローとブラックのルーフ、ホイール、ドアミラー、ホイールアーチインサート、グリル、Aピラー、Bピラーとのコントラストにより、イエローのインパクトがより強調されるのが特長だ。全体的な効果として、ジュークの視覚的なインパクトを高めることを狙う。

◆メーターは12.3インチのデジタルTFTスクリーンに
改良新型のステアリングホイールには、滑らかなレザー調の新素材を導入した。ステアリングホイールの向こうには、速度などの情報を表示する12.3インチのデジタルTFTスクリーンを新採用した。この高解像度スクリーン(1920×720ピクセル)により、ドライバーは好みに応じてディスプレイを設定し、情報を表示することができる。

メーターは、2つの異なる基本レイアウトの間で切り替えることが可能。クラシックレイアウトでは、2つのダイヤルと中央のスペースに情報が表示される。また、エンハンスドレイアウトでは、速度とエンジン回転数を2つの文字盤に表示する。これにより、中央の表示領域が広くなり、さらなる情報を表示することができる。

ダイヤルに挟まれた中央部分には、地図を含むナビゲーション、燃費、オーディオ情報、エコドライブ性能、タイヤ空気圧などの情報を表示する。ディスプレイのコントロールスイッチは、ステアリングホイールに配されている。電動パーキングブレーキも新たに装備された。

◆ダッシュボードのインフォテインメントスクリーンも12.3インチに
改良新型では、ダッシュボード中央のインフォテインメントスクリーンのサイズが大きくなった。スクリーンは12.3インチになり、ドライバーに向けて8度傾けられた。これは、スクリーン横のタッチコントロールを手の届く範囲にするため。また、ジュークの顧客が好むコックピット感覚を高めるための変更だ。

アップグレードされたインフォテインメントシステムには、より直感的なホーム画面が採用された。ユーザーはスマートフォンのホーム画面のように、頻繁に使用する機能の「ウィジェット」を画面に表示することができる。

さらに、インフォテインメントシステムでは、音声認識と自然言語の理解機能を向上させた。これにより、システムがコマンドとして理解できるフレーズや表現の幅が広がったという。ワイヤレスのグーグル「Android Auto」も、従来のワイヤレスのApple「CarPlay」と同様に利用できるようになった。

◆ルノーグループと共同開発されたハイブリッドを設定
改良新型には、ハイブリッドを設定する。このパワートレインは、ルノーグループと共同開発された。日産製の1.6リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、最大出力94hp、最大トルク15.1kgmを発生する。

日産製の電気モーターは、最大出力49hp、最大トルク20.9kgmを引き出す。ルノーは出力15kWの高電圧スターター/ジェネレーター、インバーター、蓄電容量1.2kWhの水冷バッテリー、トランスミッションを開発した。

トランスミッションは、シンクロナイザーリングの代わりにドッグクラッチを使用して、4つのエンジンギアと2つのEVギアをシフトする。さらに、摩擦を減らすために、このトランスミッションはクラッチを使用していない。発進は100%電気で行う。2つのEVモーターを組み合わせてギアを同期させ、スムーズで応答性の高い加速を追求している。

◆ハイブリッドの燃費は20km/リットル
ハイブリッドシステムは自動的に、EVモードでの走行時間を最大化する。住宅地や学校、市街地の駐車場などでエンジンを始動したくないユーザー向けには、専用のEVモードスイッチが採用された。バッテリーの充電状態に配慮しながら、EVモードを優先して走行する。EVモードは、都市部での走行の最大80%をカバーする。この効果もあって、都市サイクルでの燃費は最大40%向上した。複合モード燃費は20km/リットル、CO2排出量は114g/kmとした。

減速時には、電気モーターが発電機として機能し、運動エネルギーを取り込み、それを電気に変換してハイブリッドシステムの駆動バッテリーに蓄える。高度な回生協調ブレーキ機能は、回生ブレーキと摩擦ブレーキを組み合わせて、自然なペダルフィーリングと効率的なエネルギー回収を追求する。ドライバーには、ブレーキペダルからの直感的なフィードバックが、常に得られるようにした。

ドライブモードセレクターを操作して、エコ、ノーマル、スポーツの3種類のモードが選択できる。3種類のモードに応じて、ステアリング操作、エアコン制御、アクセルペダルの応答が変化する。回生ブレーキの作動とバッテリーの充電状態も変化する。たとえば、スポーツモードでは、加速をアシストする電力を最大化するために、ブレーキング時の回生が高レベルに設定される、としている。

日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》 日産 ジューク・ハイブリッド 改良新型《photo by Nissan》