燃費アップの新常識! 軽量パーツとエンジン最適化でクルマをチューニング〜カスタムHOW TO〜

チューニングといえばパワーアップして燃費は悪くなるものと思われがちだが、本来使い方に合わせて調整するのがチューニングの意味。燃費アップを目指すのであれば、それに合わせたチューニングもある。

◆燃費を求めたときチューニングは必ず悪となるのか?
チューニングすると燃費が落ちると思われている。たしかにエンジンパワーを1.5倍にしたり、太いタイヤでグリップ力をアップさせれば明らかに燃費は悪くなる。しかし、チューニングによって燃費アップをさせることもできる。チューニングとは調律という意味なので、その狙いに合わせたパーツ交換やセッティングを施せばいいのだ。そこで今回は燃費アップにつながるチューニングを提案する。

●燃費アップチューン1:軽量化チューン
燃費アップにダイレクトに効くのが軽量化。クルマが軽ければ加速時の負担が減るのでガソリンが減りにくくなる。いかにクルマを軽くするかは重要なポイントだ。

例えば、カーボン製ボンネットやリアゲートなどにすることで軽量化が可能。最近のクルマはアルミ製ボンネットなので、樹脂製ボンネットに交換してもほとんど効果はないが、鉄製ボンネットのクルマなら交換するだけで10kg以上の軽量化が可能になる。

それに合わせてバッテリーもドライバッテリーにすれば、それだけで約10kgの軽量化が可能。合計で20kg近い軽量化が可能だ。

もちろん大前提として、車内に積んである余計な荷物は下ろすこと。クルマを無駄に重くしないことが大切でもある。

●燃費アップチューン2:低燃費タイヤ&ホイール
軽量化と同様にホイールも軽いほうが燃費には有利。とくに鍛造アルミ製などの軽量なホイールにすると、外周部分が軽いので回転慣性が少なく、加速時の出だしがよくなる。アクセルを踏む量が少なくて済むので燃費アップに効果的。

そして、大きな要素なのがタイヤ。転がり抵抗の少ないタイヤは燃費にダイレクトに響く。低燃費タイヤはエコタイヤ、ハイパフォーマンス系タイヤなどでも燃費向上に効果的だ。逆にハイグリップタイヤやスタッドレスタイヤなどは転がり抵抗が大きめなのでオススメできない。

また、タイヤサイズも重要で幅を太くしたり、外径を大きくすればグリップが上がって転がり抵抗が増えがち。純正サイズがベストだし、純正タイヤはたいていそういった燃費に有利なものを採用していることが多いので、すでにタイヤ・ホイールを変えているとしたら純正タイヤに戻すのも手のひとつ。

●燃費アップチューン3:ECUチューン
エンジンを制御しているECUデータを書き換えるECUチューン。これも実は燃費アップに効果的。通常はこのECUの内部データを書き換えてパワーアップを狙う。エンジンが本来持っている性能を発揮させるためのリミッターを外す作業である。

データを書き換えると馬力もトルクもアップするが、もちろんその状態で全開でバンバン走っていれば燃費は悪くなる。しかし、ノーマル時よりもパワーが出ているということはそれだけ効率よくガソリンが燃えているということでもある。効率がよくなった状況でこれまで通りに運転すれば燃費が良くなることも多い。

つい気持ちよくエンジンが回るようになって踏んでしまった、となると燃費アップは望めないが、丁寧に運転すればむしろ燃費が良くなることは多いのだ。

◆逆に燃費ダウンに直結するチューニング
●燃費に響くチューニング1:エアロパーツ
とくにGTウイングは思った以上に空気抵抗が増え、燃費悪化に効いてしまう。ダウンフォースが出やすいほど、基本的には抵抗も増えやすい。ウイングの幅が広く、取り付け位置が高く、角度を付けていくほど燃費は悪くなりがち。

また、フルバンパーやリップスポイラーなども空気抵抗が増えやすいし、ノーマルバンパーよりも重いことも多くそれも燃費悪化に効いてしまう。

●燃費に響くチューニング2:ローテンプサーモスタット
エンジン冷却水をラジエーターに送るかを決めるサーモスタットの温度をさげるのがローテンプサーモスタットチューン。水温が高くなる前にラジエーターに冷却水を回すことで、水温が高くなるまでの時間を稼ごうというパーツ。

サーモスタットが引く温度で開き、ラジエーターに十分なキャパシティがあると安定水温の温度が下がってしまう。

最近のクルマでは燃焼効率を高めるために水温を高く保つ設計がされている。そのためローテンプサーモスタットで水温を下げてしまうとクルマが側では一生懸命に水温を上げようとECUマップが「低水温補正」モードになってしまう。こうなるとガソリンを濃いめに吹いて水温を上げようとするので燃費悪化に効いてしまうという。

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