自民党本部(東京都)《Photo by David Mareuil/Anadolu Agency/ゲッティイメージズ》

内閣支持率の低下を更新し続けている岸田文雄首相が会長を務める「宏池会」など自民党の5派閥が、政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過小記載したとされる疑惑が表面化しているが、自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)への2022年分の企業・団体献金は21年比0.8%増の24億5000万円に上ったという。

◆献金総額は2年連続で増加
総務省が公表したもので、11月25日付けの日経などが詳しく取り上げていた。それによると、自民党への献金総額は2年連続で増加。企業の最高額は十倉雅和経団連会長の出身会社の住友化学と、トヨタ自動車の5000万円。自動車の個別企業でも最高のトヨタのほか、日産自動車が3700万円、ホンダが2500万円と上位に並んでいた。

また、増額幅が大きかったのは、ソニーグループが500万円増の2000万円、日本電気が300万円増の1800万円などの電機大手や航空大手のANAホールディングスも300万円増の600万円なども献金を増やしていた。

業界団体では日本自動車工業会の7800万円が最高額。2位は7700万円の日本電機工業会。3位は日本鉄鋼連盟の6000万円だったという。

◆自民党の自動車議員連盟の新会長に甘利氏
こうしたなか、自民党の自動車議員連盟の新会長に甘利明前幹事長を充てると、11月26日付けの日経が報じていた。10年ぶりの会長交代で、現会長の額賀福志郎氏が10月に衆院議長に就任したことを受け、新会長に甘利氏を起用するとともに、議連幹事長には茂木敏充幹事長が就く予定で、12月1日の総会で一連の人事案を諮るという。

甘利氏は過去に経済産業相を務め、経済政策や経済安全保障などに精通する商工族の筆頭。政府は脱炭素化に向け2035年までに乗用車の新車販売で電動車を100%にする目標を掲げており、ガソリン車を主体とした自動車課税の見直しも迫られる。「党税調の会長経験もある甘利氏が選ばれたのは、こうした自動車業界のビジネス環境の変化に政策や税制で対応する必要があったため」とも伝えている。

2023年11月27日付

●38空港・港防衛力強化、政府案、自衛隊・海保が訓練(朝日・1面)

●内閣支持、最低の30%辞任ドミノ「政権に影響」63%、本社世論調査(日経・1面)

●エンジン開発縮小の波、脱ガソリン車、EVに投資、日産は機種6割削減、三菱自30年めど撤退(日経・7面)

●中国の模倣品、増す脅威、自動車部品、被害3兆円(日経・15面)