トヨタ・ランドクルーザー300《写真撮影 吉田瑶子》

世界的にも人気が高いトヨタ『ランドクルーザー』などの高級車を狙った盗難で新たな手口が広がっているという。車両の制御システムに接続し、車外から操作する機器「CAN(キャン)インベーダー」を使用し、ものの数分でエンジンを始動させて、持ち去ってしまうという被害が増加しているそうだ。

◆CANインベーダー
きょうの日経が社会面のトップ記事で報じている。それによると、CANインベーダーによる盗みの手口としては、まず、バンパーをずらし、フロント部分の配線と機器をケーブルで接続して侵入。次に制御システムに不正な信号を送り、ドアを解除させて、エンジンを始動させる。そして、運転席に乗り込んで逃走するという。

捜査関係者の話では「操作は容易で車を傷つけずわずか数分で持ち去ることが可能になる」そうだ。

日本損害保険協会によると、2022年に発生した自動車本体の盗難に対し、保険金を支払った事案は2656件。このうち、トップはランドクルーザーが全体の16.9%を占め、次に『プリウス』、『アルファード』、レクサス『LX』、レクサス『RX』、『ハイエース』、『クラウン』、『アクア』、『C-HR』、レクサス『ES』と続き、上位10位はいずれもトヨタ自動車(レクサス含む)の人気車種が狙われている。

◆ユーザーも対策を強化して
一方で、悪質な盗難被害を防ぐには、有効な対策の一つがハンドルやタイヤをロックする装置。数千円から購入できるものだが、装置を外すのに手間がかかるため、盗人側からすれば、足止めを食うからだという。また、エンジンをかけられなくするような後付けの部品も発売されているようだが、いずれにせよ記事では、狙われる高級車などの持ち主側もセキュリティ対策の強化が欠かせないとも伝えている。

2023年9月19日付

●クルマ新世、新EV生産トヨタ式徹底、コンベヤー不要、一体成型型時間短縮(読売・11面)

●金融庁きょう立ち入り、損保ジャパン。ビッグモーター保険不正(読売・11面)

●内閣支持下落38%、改造評価せず49%、本社・FNN合同世論調査(産経・1面)

●SDGs達成、危機的状況、国連が首脳級会合、政治宣言目指す(東京・2面)

●高級車盗に新手口、CANインベーター、バンパーはずしシステム侵入、数分で持ち去り、被害増(日経・27面)