1998年に日本市場にも投入された『156』はアルファロメオ史上最量販車種となった。その156が人気絶頂だった頃、高性能バージョンとして登場したのが、この『156GTA』である。
日本市場への導入は2002年7月。まずセダンの6MTが入ってきた。搭載エンジンは250ps/30.6kg−mの性能を発揮したV6で、ベースの156(2.5リットル)や同時期の『166』(3リットル)の上をいく3.2リットル(3179cc)の排気量だった。
これは3リットルからストロークアップを果たした新開発で、24バルブとし、コネクティングロッド、ピストン、クランクシャフトなどが専用設計。カタログ写真にもあるような、美しい仕上げのインテークマニホールドとインダクションボックスの赤いGTA 3.2 V6の文字、それとAlfa Romeoのロゴは、ボンネットを開けるとまず目が行く場所だった。
156GTAではサスペンション系も見直されたほか、フロントブレーキには305mm径の大径ベンチレーテッドディスク、対向ピストン型のブレンボ製4ポットキャリパー、強化型ブレーキサーボを採用。加速時の駆動輪の空転を制御するASR、シフトダウン時のエンジンブレーキトルクを制御するMSRなどの電子デバイスも搭載した。
存在感のあるエアロアイテム、専用デザインの17インチアルミホイールなどが外観の凄みを効かせた。インテリアには電動リクライニング機構とヒーターを備えるヘッドレスト一体スポーツシートや、アルファロメオらしい艶やかな音にセッティングされたBOSEのオーディオも備えた。
2003年にはスポーツワゴンを設定したほか、同じ年に『147GTA』も導入された。
人気絶頂のアルファ『156』に投入された「GTA」という名の“美しき獣”【懐かしのカーカタログ】
2023年09月02日(土) 20時00分
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