【メルセデスベンツ EQE 発表】メルセデスベンツグループのオラ・ケレニウス会長が25日、環境先進都市である東京都の小池都知事を都庁に表敬訪問した。ケレニウス氏は、新型EVである『EQE SUV』のジャパンプレミアのため来日していた。
冒頭の挨拶ではケレニウス氏が「日本は非常に重要な市場であるとともに、東京都は先進的なゼロエミッションにも取り組んでいる」とし、積極的な電動化に取り組む同グループの代表として都知事に会う意味と、電動車を中心としたカーボンニュートラルを推進するため、日本市場への戦略を説明した。
ケレニウス氏は、この訪問に先立って、SUVタイプの新型EV『EQE SUV』の日本発売を発表し、またグローバルな充電網の整備計画に日本市場も含まれることも明言した。この充電網は独自のネットワークと発表されたが、都知事との対話ではパブリックなものであるとも述べている。詳細は正式発表を待つ必要があるが、メルセデスオーナー以外にも利用を解放する含みを持たせたものだ。
これに対して小池都知事は「気候変動やエネルギー問題は身近な現実の問題となっている。都としても環境政策を進めている」と応じた。続けて、「逆に、(自動車メーカーは電動車に関するインフラや政策について)どんなことを期待しているか。何が必要と考えるか?」と質問をした。
東京都は、カーボンニュートラルに積極的であり、太陽光発電、HEMS、電気自動車に関連して各種事業者向けの助成と、消費者向けに破格の補助金を設定している。税金を使った補助金政策には、対象にならない層の批判や客観的な検証は必要だが、都としても政策には広く意見がほしいということだろう。
ケレニウス会長は「充電設備は、まず自宅充電、次に職場での充電、そして公共施設での充電器に分けることができる。東京のような都市環境を考慮すると、高層マンション周辺の急速充電器が考えられる」と応じた。
最初に自宅充電環境を持ってくるところは、実際のEV市場に製品を提供し続けているメルセデスグループならではの着眼だろう。さらに職場充電(目的地充電のひとつ)が2番目にくるのは、欧州の自動車市場ならではの発想かもしれないが、ユーザーの利便性や企業のコストダウン・業務効率を考えると理にかなっている。VPPなどマイクログリッド、仮想グリッドにEV/FCVを組み込むニーズを考えても合理的で意義が高い。公共の充電設備はだれもが注目するところだ。ケレニウス氏は、高速道路などの公共の経路充電に多用される大出力急速充電は、高層マンションの周辺にもニーズと合理性があるという分析をした。
訪問の最後は、双方からの記念品の交換が行われた。ケレニウス会長は「小さい車で申し訳ない」といいながら『EQE』のスケールモデルを小池都知事に贈呈した。小池都知事からは、日本と東京の文化を紹介した写真集と、アートコレクション写真集が送られた。
EV推進で意気投合、メルセデスベンツ会長が小池知事を訪問…東京に必要なインフラは?
2023年08月25日(金) 17時25分
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