現行ホンダN-ONE《写真提供 ホンダ》

ホンダの三部敏宏社長は4月26日、都内にある本社で会見し、2025年に軽乗用車『N-ONE』をベースにした電気自動車(EV)、さらにその翌年にはSUVタイプを含む小型EVを日本市場に投入する計画を明らかにした。

ホンダは2040年までにEVおよび燃料電池車(FCEV)の販売比率をグローバルで100%にする計画を掲げ、その中間点となる2030年にはグローバルで年間200万台超の電動車の生産を目指している。

三部社長は、この目標達成に向けた具体的な取り組みのひとつとして「日本では2026年までに新たに4機種のEVを投入する。2024年発売の『N-VAN』ベースの軽商用EVに加え、2025年には『N-ONE』ベースのEV、2026年には小型カテゴリーで2機種のEVを発売予定」していることを披露。

また主力市場のひとつ北米に関しては「2024年にGMとの共同開発モデルである『プロローグ』をホンダブランドから、『ZDX』をアキュラブランドからそれぞれ発売する。2025年からはホンダ独自のEV専用プラットフォームをベースとした新たなE&Eアーキテクチャーを採用した中大型EVを投入し、その後、EV専用プラットフォームのラインアップを順次拡大していく」と述べた。

最大市場の中国は「e:Nシリーズの第2弾の2機種と、第3弾のSUVを2024年に発売し、その後、第4弾モデルの発売を含め、2027年までに合計10機種のEVを投入していく。全モデルの完全EV化についても達成時期を2035年に前倒し」するとの上海モーターショーで公表した取り組みを改めて説明した上で「グローバル全体の電動化をリーディングしていく」と強調した。

EV200万台生産体制構築に向けては「EV生産に特化した専用工場の立ち上げに取り組んでいく」とし、「2020年代後半からの次世代EV商品の投入計画に合わせ、EV専用ラインによる生産システム改革に現在着手している」と説明した。

一方、EVシフトを巡って日本勢の周回遅れが指摘されていることに関して三部社長は「技術的な進化でいうと間違いなく中国は先を行っていると認識している」としながらも、「勝負が明日1日で決まるとなるとあれだが、当分継続しながら新しいことを期間の中で勝負していくことになるので、遅れているということは認めながら、必ずそれをひっくり返すことを頭の中において進めていく」と巻き返しに自信を示した。

現行ホンダN-VAN《写真提供 ホンダ》 ホンダ 2023ビジネスアップデート《写真撮影 小松哲也》 ホンダ 2023ビジネスアップデート《画像提供 ホンダ》 ホンダ 三部敏宏 社長《写真撮影 小松哲也》 ホンダ 2023ビジネスアップデート《画像提供 ホンダ》 GMと共同開発中のホンダ・プロローグ《photo by Honda》 GMと共同開発中のアキュラZDX《photo by Acura》 10年ほど前までアキュラZDXは市販車の名前にあった。写真は2012年型《photo by Acura》