ダイハツは東京オートサロン2023にダイハツ『タントファンクロス』のイメージをさらに強化したコンセプトモデルを出展する。
◆親子でランニングバイクに乗って
ダイハツタントファンクロスは、2022年10月のタントのマイナーチェンジに合わせて、アクティブ感とタフさを表現したスタイルや専用装備を採用した追加車種だ。広がるアウトドア志向のユーザーニーズにも応えていくという。
今回のコンセプトモデルは、そのイメージをさらに強化したものである。
---:タントファンクロスという名称はカタログモデルと一緒ですが、その意図や狙いを教えてください。
ダイハツくるま開発デザイン部第2デザインクリエイト室CMFグループの里舘ひなのさん(以下敬称略):今回の出展車はタントファンクロスのショーモデルという位置付けです。ファンクロスは、家族のお出かけの楽しさを表現していますが、今回はショーということでさらにそのイメージをお客様に知ってもらいたいということです。
そこで、家族が楽しくお出かけしてるシーンを想像した時に、ランニングバイクで親子で走ってるような風景がイメージできました。そういうカラーリングなどを参考にしていくと、イエローやグリーンなど、現色の色を使うことで、親子のファンな感じを表現出来ることに気付きましたので、イエローでファンクロスの世界観をより強調しています。
また、カタログモデルとして量産化しているのはくすみ系のカラーの3色です。そちらも検討はしたのですが、ショーの中で楽しさを表現したいと考えると、くすみカラーでバンと打ち出すよりは、こういったアクティブなカラーの方向に持っていった方が、お客様に伝わりやすいという思いで選んだ色です。
室内ですが、タントの特徴はミラクルオープンドアという助手席側のBピラーがないところ(写真は運転席側より)です。そこがより強調されるようにシートサイドがまっ黄色になっています。そこから、室内の広々さを表現したいという思いです。
もうひとつ、こだわりポイントなのですが、フロアのカーペットに芝生を敷いているのですが、これはフィールドと繋がってるような雰囲気を演出したいということでこのような表現もしています。
ダイハツデザイン部第1デザインクリエイト室課長の芝垣登志男さん(以下敬称略):車内にいても外にいるみたいな、アウトドアの延長みたいな感覚ですね。
◆カラビナをモチーフに
---:エクステリアではイエローと同時にゴールドもありますよね。その辺りのこだわりを教えていただけますか。
芝垣:このモデルは家族でアクティビティに行く、例えばキャンプに行ったその先のアクティビティを楽しもうというようなテーマです。ではアウトドアのキーになるものは何かなと探した時に、カラビナがあるなと。これをモチーフにしたらどうだという話が出て、タントファンクロスの特徴である輪っか状のバンパーコーナーの造形を生かして、大きなカラビナがついているような印象に繋げました。そんなインパクトのあるモデルも、面白いんじゃないかと。
さらにサイドビューも見ていただいたらわかるかもしれませんが、ショルダー周りからルーフレールにかけてカラビナをモチーフにした造形にするなど、遊び心を表現しています。
因みにカラビナはアルマイト風の処理に見えるように、アルミ削り出しのような雰囲気を与えています。
◆イエローの使い方にも配慮
---:インテリアを見渡すと、カタログモデルでオレンジを使用しているところが黄色になっているんですね。黄色は目に飛び込みやすいので使いにくいと思うのですが、あえて採用したのはなぜですか。
里舘:はい、とても勇気がいりました。実際に運転するときに黄色は結構目についてくると思います。ただ今回はショーモデルですので、カタログモデルのオレンジよりもさらに強調した表現をしたいという思いがありました。ただし、ショーモデルとはいえ、やはり目障りなるようなことは避けたい。例えば若干赤みの強いイエローが来ると、注意喚起色のようになって、目に飛びこみやすくなるのです。そこで若干緑みっぽい表現にすることで、見やすいように工夫しています。危険地帯ではなく、ちょっとアクティブな方向になっています。
---:ホイールにもちょっとだけ黄色が入っていた楽しい雰囲気ですね。
里舘:バイクとかでもこういう表現が見られますよね。そういう差し色があると、楽しそうに感じます。これで評判だったら、次のファンクロスにもつながるといいなと思っています。
◆誰でも夢見られるモデルつくりを
---:コンセプトモデル5台以外に用品装着車も展示されるそうですね。
芝垣:はい。2台、用品装着仕様、アクセサリーカーを一緒に推したいということです。その2台はことさらにカスタムしたというわけではないのですが、用品装着でもこのぐらいカスタマイズできるんだという例として展示します。
---:コンセプトモデルの5台も用品装着でできそうな雰囲気はあります。
芝垣:我々が思い描いているのは、パッと見は夢みたいなクルマですが、ちょっと頑張ったら手に届くんじゃないかというものです。まるですぐ会えるアイドルみたいな、そんな存在がダイハツらしいと思うんです。ですからすごく夢見やすい(想像しやすい)状態になってるんじゃないかなと思っています。そういったことが手軽にできるというのが、やはりダイハツらしさに繋がると考えるからです。
ダイハツといったらフレンドリーみたいなイメージを推していきたいので、そこに繋がればいいかなと思っています。
---:本当にどのコンセプトモデルも使用シーンが見えますよね。
芝垣:そこで難しいのが自分で触って面白いという世界は、年齢を重ねていくとわかる部分があるのですが、若い人にもやはり分かってほしいんですね。正月明けのイベントで、親子とかで見に来た時に一緒になって騒いでほしいんです。お客様がニコニコしたり、ちょっとクスって笑ったりして帰って行ってくれたら、作った甲斐があります。
タントファンクロスのイメージを強化せよ…家族が出かける[デザイナーインタビュー]
2022年12月30日(金) 12時30分
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