何週か前にお届けした70年代中心のモデルの続編として、今回は60年代に遡り、当時のチャーミングだった国産クーペを振り返ってみたい。
◆日野・コンテッサ(1964年)
『ルノー4CV』のノックダウンから発展、日野自動車独自の乗用車として開発されたのが『コンテッサ』だった。その第2世代がミケロッティにスタイリングを委ねたスタイリッシュなモデル。クーペは4ドアセダンの1年遅れで登場。Aピラーから後ろは、三角窓を含めたドア形状など専用のデザインがあたえられた。
リヤに縦置きされたエンジンはセダンと同じ1300(55ps/9.7kgm)ながら65ps/10.0kgmと性能が高く、これはセダンにも1300Sとして搭載された。
◆日産・シルビア(1965年)
『フェアレディ1500』(SP310)をベースに仕立てたモデルで、1964年の東京モーターショーに登場、翌1965年に市販化された。搭載エンジンは1.6リットルOHVで90ps/13.5kgmの性能。言うまでもないが『シルビア』としては、このモデルが初代という訳だ。
2シーターの、今見ると非常にコンパクトでながら、“クリスプカット”と呼ばれたシャープな面を組み合わせたスタイリングが今みても美しい。
◆ファミリア・ロータリークーペ(1968年)
前年1967年の東京モーターショーに“RX85”の名で登場。翌年に市販化された。当時の『ファミリア』のクーペをベースに『コスモスポーツ』の491cc×2ローターのロータリーエンジンに専用のチューンを施して搭載。そのスペックは100ps/13.5kgmというものだった。シフトコンソールが繋がったデザインのT字型のインパネや、丸型のテールランプなどがロータリークーペ専用。
◆いすゞ・117クーペ(1968年)
1966年(アイボリー)、1967年(シルバー)と2度にわたり東京モーターショーにショーモデルとして登場(いずれも車名は『117スポーツ』だった)、1968年に『117クーペ』として発表・発売された。
写真のパンフレットは1970年の東京モーターショーで配付されたもので、この時にECGI(電子制御燃料噴射装置)付きの1.6リットルDOHC(EC)のほか、コストダウンを図った1800Nを登場させるなどした後、1973年から量産型に移行した。
◆いすゞ・ベレット(1964年)
セダンより半年遅れで登場。“ベレG”の愛称とYUMINGの歌に登場することでもおなじみ。ベレットは全輪独立懸架、4段シフト、バケットシートなどを装備する、当時としてはスポーティなモデルだった。
1600GTに搭載の1.6リットルエンジンは1579cc(88ps/12.5kgm)から1584cc(90ps/13.0kgm)に載せ替えられたほか、オレンジのボディ色と黒いフードでおなじみの写真の1600GTRには1.6リットルDOHC(120ps/14.5kgm)を搭載。最終型では1.8リットル搭載車が設定されるなどした。
60年代のチャーミングな国産クーペ 5選【懐かしのカーカタログ】
2021年07月31日(土) 20時00分
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