フィリピンで人気のAT車(スクーター)ヤマハ『MIO』シリーズ《撮影 宮崎壮人》

ヤマハ発動機は、二輪車の需要が高まるフィリピンにおいて、国内での生産能力を倍増させる計画を発表。バタンガス州のリマ工業団地内で二輪車の製造・販売を行うヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の工場を拡張し、年間40万台の生産能力を、2020年7月には80万台体制にする。

フィリピンの二輪車需要は年々伸び続けており、2018年には前年比14%増となる226万台を販売、世界でも第6位の市場となっている。ヤマハとしてもインドネシア、インド、ベトナムに次ぐ第4位の市場規模で、前年伸長率は32%、約54万台を販売するまでに成長している。


フィリピンの都市部(メトロマニラ)では交通渋滞が深刻化しており、手軽に、効率よく移動できる二輪車が注目され始めている。また7000にものぼる島からなるフィリピンでは交通機関が未発達な地域も多く、個人の移動手段として二輪車が欠かせないものになりつつあるという。

二輪需要の高まりに合わせヤマハは、誰でも気軽に乗ることができるAT車(いわゆるスクーター)を主力商品として投入。信頼性の高い日本車への人気や、高付加価値商品へのシフトもあって『MIO』シリーズや『MAX』シリーズがヒット、2007年のYMPH設立当初は6.7%だったシェアも34%超へと成長させることに成功している。


YMPHでは現在、MIOシリーズを中心に1日あたりおよそ2000台を生産(うち400台はビジネスバイク)。敷地内に増設される新棟では、主力であるMIOシリーズの生産に特化し2020年7月より40万台の増産を図る。MIOシリーズは115〜155ccのAT車(スクーター)で、手頃なサイズ感、先進的なデザイン、高い燃費性能、豊富なラインアップや、マゼンタ、オレンジなどの鮮やかなボディカラーがフィリピンでの人気を支えている。価格は125ccの「MIOi125」が7万1900ペソ(およそ15万円)。

ヤマハは2023年までにフィリピンでの販売台数100万台、シェア40%などを掲げ、販売網の拡大や販売員の教育、アフターセールスの強化などをおこなっている。2018年12月に発表した新中期経営計画の中でも、アセアン市場を引き続き重要市場のひとつとして、さらなる収益基盤の強化に取り組むとしており、今回の生産能力増強もこうした取り組みの一環と位置づけられる。

ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 2020年7月に新工場棟が完成する予定の敷地(ヤマハ・モーター・フィリピン)《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン大杉亨社長《撮影 宮崎壮人》 マニラ市街地ではヤマハ『MIO』を多く見かける。その多くが鮮やかなボディカラーだ《撮影 宮崎壮人》 フィリピンで人気のAT車(スクーター)ヤマハ『MIO』シリーズ《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ・モーター・フィリピン(YMPH)の生産ライン《撮影 宮崎壮人》 2020年7月に新工場棟が完成する予定の敷地(ヤマハ・モーター・フィリピン)《撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のフィリピンでの二輪事業の変遷《撮影 宮崎壮人》 二輪車需要と販売の規模《撮影 宮崎壮人》 ヤマハはフィリピンでの販売台数100万台、シェア40%などを掲げる《撮影 宮崎壮人》 フィリピン・マニラ中心部では深刻な交通渋滞問題を抱えている《撮影 宮崎壮人》