
フォーミュラカーの開発や生産で主に知られるダラーラ社が完成させた新ジャンルのスポーツカー、ダラーラ『ストラダーレ』、その輸入販売を日本ではアトランティックカーズが手がけることが23日に都内で発表された。
イタリアのダラーラ(Dallara)社は、インディカーやスーパーフォーミュラなどのいわゆるフォーミュラカーを中心にワンメイクシャシー供給等を展開しており、世界最大手といっていいレーシングカーコンストラクター。ダラーラ抜きでは現在、世界の多くのレースフィールドが存在し得なくなるくらいの存在感を誇る。F1との関わりも強く、1990年前後の時代にはダラーラという名称のマシンでスクーデリア・イタリアというチームが参戦、その後もダラーラは多くのチームの車両開発等に参画してきた。
そのダラーラが、創始者ジャンパオロ・ダラーラの夢を実現させて完成したのが、純粋な走る喜びを追求した新ジャンルのスポーツカー「ダラーラ・ストラダーレ(Stradale)」である(発表は2017年)。ダラーラがカーボンファイバー・テクノロジーやエアロダイナミクス、ビークルダイナミクスの開発リソースを注ぎ込んで生み出した“理想のロードカー”だ。ちなみにジャンパオロ・ダラーラ氏はレース関連の業績だけでなく、ランボルギーニ『ミウラ』等のロードカー開発に携わってきた人物としても知られる。
先週末に鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラ(SF)の今季開幕戦では、SFの新たなワンメイクマシン「ダラーラSF19」の実戦デビューとともに、ストラダーレも鈴鹿のコースに登場した。開発に参加したプロレーサーで、SFの前身にあたる全日本F3000選手権で1994年にチャンピオンとなったマルコ・アピチェラ(イタリア出身)さんのドライブによるデモ走行が実現している(場内展示もあった)。
そしてこの日(23日)、ストラダーレの日本での輸入販売をアトランティックカーズが担うことが発表された。アトランティックカーズは海外のプレミアムブランドの輸入販売などを長く手がけてきたことで知られる。
「B&B Italia Tokyo」にて開催された発表会には、SF開幕戦鈴鹿にも来訪していたダラーラ社CEOのアンドレア・ポントレモリ氏も臨席。ストラダーレの日本正規輸入パートナーに関しては複数社が手を挙げていたというが、「我々が欲したのは単なるディーラーではなく、“アンバサダー”となってもらえるパートナーでした。ですから、クルマをよく知るだけでなく、イタリアの文化も深く理解しているアトランティックカーズを選ばさせていただいたのです」とポントレモリ氏。
アトランティクカーズの野澤隆之代表取締役も、「ダラーラの人々と話していると、クルマにとって軽さやダウンフォースといった要素がいかに重要であるかがあらためてわかる」との旨を話す。そしてストラダーレを「概念が変わるクルマ」と評し、新たなパートナー、ダラーラを日本市場に送り出す“栄誉”を担うことへの情熱を語っている。
鈴鹿サーキットや富士スピードウェイでは、当たり前のように見られるダラーラの快走。そのダラーラの名が、アトランティックカーズというパートナーを得て、日本の道路でも存在感を発揮する時代がついに到来した、そんなふうにもいえるだろう。ダラーラがフォーミュラカー開発の知見をもとにつくったストラダーレ、価格は基本となるバルケッタ状態で2256.5万円〜(税別)。24日から販売が開始される。








