トヨタ・プリウス《写真提供 トヨタ自動車》

2日前(4月10日)の小欄でも取り上げていたが、トヨタ自動車が、先週の4月4日から稼働を停止している愛知県豊田市にある堤工場の第1ラインの停止期間について、さらに来週17日まで延長するという。同社が発表したもので、きょうの読売や日経なども「トヨタ、堤工場の一部停止継続」などと、続報している。

それによると、停止しているのは、堤工場にある2つの生産ラインのうち、主力車種の『プリウス』と『カローラ』のライン。当初、今週初めの9日までとしていた停止期間を週末の12日まで延長していたが「一部の生産工程の確認作業に、さらなる時間が必要だと判断」。とりあえず、来週の17日にまで停止期間を延長するという。

それでも確認作業に時間を費やすことになれば、18日以降の稼働の可否については17日中に判断するとしているが、それにしても売れ筋の車種の生産を2週間も停止するのは異例である。

また、きょうの読売本紙にはカットされているが、ネット配信の読売オンラインによると「トヨタは、子会社のトヨタ車体富士松工場(愛知県刈谷市)の2ラインのうち、『ノア』『ヴォクシー』『アルファード』『ヴェルファイア』を生産する第2ラインも9日から12日まで停止している」とも伝えている。

一体全体、トヨタの生産現場で何が起こっているのか。これまでの発表では具体的な理由については明らかにしていないため、謎は深まるばかりだ。

一方、トヨタ自動車の完全子会社のダイハツ工業では、軽自動車などの認証試験の不正を受けて停止している本社工場(大阪府池田市)の生産を大型連休明けの5月7日に再開すると発表。昨年12月下旬以来、約4か月半ぶりに、自動車を組み立てる国内4工場全ての生産ラインが再開されることになる。

ただ、国内で手がける24車種のうち、軽自動車『ムーヴキャンバス』のほか、乗用車『ロッキー』とトヨタ自動車に供給する『ライズ』のハイブリッド車の3車種は生産再開のめどが立っていないという。全工場の生産が再開されても、それで「禊は済んだ」と判断するのは早計に失するだろう。

2024年4月12日付

●円安153円台、34年ぶり、為替介入警戒強まる、口先介入反転せず (読売・1、2面)

●ダイハツ国内全工場再開へ、4か月半ぶり (読売・6面)

●解説・冷めるEV人気普及に暗雲、各国で販売伸び悩み、補助金見直し・価格割高 (読売・12面)

●追跡・首相訪問ノースカロライナ、日本「大型投資」強調、トヨタ2.1兆円電池工場 (毎日・2面)

●リニア延期を「手柄」に、川勝劇場幕切れ、問われる「知事権力」 (産経・3面)

●USスチール、日鉄の買収計画承認へ、米政界からやまぬ逆風、12日に株主総会 (産経・10面)

●国内EV新車販売が失速、23年度2.5%増、新型投入乏しく(東京・6面)

●日本人は28年にも月へ、トヨタ車は31年に「アルテミス計画」で署名 (日経・5面)

●インドでEV充電拡充、テスラチャージ、設備を外販 (日経・12面)

●ルネサス、閉鎖工場再稼働、山梨で9年半ぶり、パワー半導体増産急ぐ (日経・15面)

●訃報・磯谷智生氏=元豊田自動織機社長、94歳(日経・38面)

ダイハツ・ロッキー《写真提供 ダイハツ工業》