シトロエン 2CVのパレード《写真撮影  内田千鶴子》

車山高原(長野県茅野市)において10月15日、フランス車オーナーならだれでも参加できる第1回アロンフランセ車山が開催された。主催はアロンフランセ車山実行委員会主催で協力は車山観光協会。

車山高原でフランス車の集まりといえば、フレンチブルーミーティングと思い浮かべる方も多いだろう。当然今回も開催の期待が大きかったが、車山高原における諸事情により、これまで通りの規模(3000台以上フランス車が集まったこともある)での開催は、設備的にも人員的にも許容を越えていることから、開催出来ないことになった。しかし、規模を縮小してでもなんとか開催できないかという参加者の声とともに、車山高原側としてもこれまでの実績や参加者たちの想い、そして、これまで開催してきたことで生まれた仲間や絆を大切にしたいという思いから、規模を縮小して、イベント名もアロン フランセ車山として開催することになったのである。

参加は事前募集とされ、その台数はおよそ700台。さらに今回はシトロエン『2CV』75周年を記念したパレードも企画されたことから、2CVだけで100台以上が集合し、その眺めは壮観の一言だった。フランスのラジオ局RTLとTV局TV5も取材に訪れるなど、その規模はフランスにまで伝わっているようだ。

残念な雨にたたられた当日、それでも会場オープンの8時になると続々と参加車が集まり始めた。その多くが近年のフランス車だが、中にはシトロエン『SM』やアルピーヌ『A110』、ルノー『10』、そしてツインエンジンの『2CVサハラ』といった珍しいクルマたちも来場し、皆の目を楽しませていた。

また今回はステランティスジャパンも協力体制を敷いており、多くのグッズ類の販売だけでなくじゃんけん大会への協賛品提供、そして、シトロエン、プジョー、DSのラインナップから最近発売が開始され、かつまだディーラーに試乗車が配されていないようなクルマを試乗車として持ち込んだことから、試乗枠はフルに埋まり多くの来場者が最新のフランス車を楽しんでいた。

そして今回のメインはなんといってもシトロエン2CV生誕75周年だろう。1948年にパリサロンでデビューし、実際に生産が始まったのは1949年だった2CV。アロン フランセ車山の最初のイベントはまさにこの2CVの生誕秘話から始まった。シトロエン、なかでも2CVをこよなく愛する識者からそのコンセプトや開発エピソードなどが語られ、雨の中にも関わらず多くの参加者がその解説に耳を傾けていた。そして、自分の知らない内容などが語られると、おもわず「そうなんだ」と声を漏らしてしまう姿も見られるなど、非常に有意義なトークショーであった。

さらに2CVだけのパレードランも行われた。そのスタート時に行われたテープカットには茅野市副市長の柿沢圭一氏や車山高原観光協会会長の稲葉浩一氏も来場。地元の期待も大きいことが伺われた。またフランス(?)から象のババール夫妻も来場し、パレードランに華を添え、2CVのキャンバストップを開放しそこから見学者に手を振るなど、大いに盛り上げていた。なお、そういったシーンは当然のことながら私有地内のみで行われている。

そのほかイベントはステランティスジャパンによるシトロエンやプジョーのクイズコーナーやじゃんけん大会などが行われ閉幕となった。近年、フレンチブルーミーティングは興行色が強くなりステージ上でのアイドルのパフォーマンスなども行われていたが、今回はそういうものはなく、より手作り感溢れる、まるで初期のフレンチブルーミーティングに参加しているような雰囲気であった。そして来場者たちは、もう来年の開催を期待しており、主催者も可能な限り同時期で開催したいと話していたので、その発表を期待して待ちたい。やはり車山はフランス車の聖地といっても過言ではないからだ。

続々と来場するフランス車たち《写真撮影  内田俊一》 歴代シトロエン 2CV《写真撮影  内田俊一》 アルピーヌ 110《写真撮影  内田俊一》 ルノー 10《写真撮影  内田俊一》 ステランティスジャパンの試乗車たち《写真撮影  内田俊一》 第1回アロン フランセ車山のテープカット《写真撮影  内田俊一》 シトロエン 2CVサハラ《写真撮影  内田俊一》 シトロエン 2CVとババール夫妻《写真撮影  内田俊一》 シトロエン 2CVサハラ《写真撮影  内田千鶴子》 シトロエン 2CV《写真撮影  内田千鶴子》 シトロエン SM《写真撮影  内田千鶴子》 シトロエン 2CVのパレード《写真撮影  内田千鶴子》