優勝した#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)《撮影 益田和久》

宮城県・スポーツランドSUGOで17日、SUPER GT第6戦SUGO GT300kmレースの決勝レースが行われ、トップでチェッカーを受けた#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が失格となり、#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が繰り上がり、今季初優勝を飾った。

開幕戦岡山以来、5戦ぶりの300kmとなるSUGOラウンド。第2戦から第5戦までの4レースは450kmレースだったため、2度のピットストップが義務付けられていたが、今大会は1回ストップが主流となるため、これまでと戦略も大きく変わってくる。

前日に行われた予選では、#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)がポールポジションを獲得。2番手は前戦で2位フィニッシュながらも車両規定違反で悔しい失格となった#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、3番手は#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)のトップ3となった。

決勝レースは1周3.586kmのコースを84周で争われる。スタートは比較的差が開いた状態で大きな順位変動なく各マシンが1コーナーに飛び込んでいった。序盤はポールポジションスタートの#8 ARTA MUGEN NSX-GTが逃げ、23周目には後続に12秒の差をつけトップを快走。2位の#23 MOTUL AUTECH Zも3位の#17 Astemo NSX-GTに対し約7秒の差をつけ、トップ3は単独走行状態となっていた。

30周目に2位#23 MOTUL AUTECH Zがピットイン。ドライバーをロニー・クインタレッリから松田次生に交代した。32周目にはトップの#8 ARTA MUGEN NSX-GTがピットイン。ドライバーを野尻智紀から大湯都史樹に交代した。#17 Astemo NSX-GTがピット・インしたのは33周目。ドライバーを松下信治から塚越広大に交代しコースに戻ると、前の2台を抜いてピットイン完了組のトップに浮上した。2秒後方にこれまでトップだった#8 ARTA MUGEN NSX-GTが、その直後に#23 MOTUL AUTECH Zが続く状況となり、#17 Astemo NSX-GTはピットストップで2台を抜く快挙を達成した。

37周目、ホームストレートで#100 STANLEY NSX-GTの山本尚貴が大きなクラッシュを喫し、レースはセフティーカーが導入され、その後赤旗中断となった。山本は無線で受け答えをし、手足も動かせるということだったが、救助後は病院に運ばれ手当を受けることとなった。

この時点で#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)と#1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)のトップ2はまだピットストップをこなしておらず、3位の#17 Astemo NSX-GT、4位の#8 ARTA MUGEN NSX-GT、5位の#23 MOTUL AUTECH Zまでが同一周回で、6位以下は周回遅れ。これにより優勝争いはトップと同一周回でピットストップを済ませている3台に絞られる結果になった。

約50分の中断の後レースが再開された。17 Astemo NSX-GT、#8 ARTA MUGEN NSX-GT、#23 MOTUL AUTECH Zは隊列の後方からのスタートとなり、前を走る周回遅れのGT500クラスを抜くのに苦労しながらの走行となった。すべてのマシンのピットストップが完了した52周目、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが#17 Astemo NSX-GTを抜き去りトップを奪い返してきた。57周目には3秒にまで差を広げて#8 ARTA MUGEN NSX-GTはポールトゥウィン目指して走行を続けたが、ここからタイムが落ち始め差が縮まる展開に。そして67周目には#8 ARTA MUGEN NSX-GTの背後に#17 Astemo NSX-GTが迫ってきた。

トップ2がバトルをしている間に、3位#23 MOTUL AUTECH Zも背後に迫り、優勝争いは三つ巴の戦いとなった。レースも残り7周となった77周目、ついに#17 Astemo NSX-GTがトップを奪還。その後は後続を引き離しながら快走し、2位に7秒もの差をつけトップでチェッカーフラッグを受けた。

ペースが上がらない#8 ARTA MUGEN NSX-GTは、#23 MOTUL AUTECH Zから激しく攻められ苦しい状況となったがファイナルラップまで隙を見せずに走りきり、2位でチェッカー。#23 MOTUL AUTECH Zが3位でフィニッシュした。

この順位で表彰式が行われたが、その後の車検で#17 Astemo NSX-GTに車両規定違反が見つかり失格に。繰り上がりで#8 ARTA MUGEN NSX-GTの優勝が記録され、今季初優勝となった。

■GT300クラスは#18 UPGARAGE NSX GT3がチェッカー直前で逆転も失格に…#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝
GT300クラスは赤旗中断後の再スタート時に、上位3台がピットストップを行っておらず、実質上のトップは4位走行中の#52埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)だった。2位以下は少し離れ、そこから9台が僅差のバトルとなり、毎ラップ順位が入れ替わる激しい展開に。それを尻目にトップを快走していた#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTだったが、ファイナルラップのコントロールライン手前でスローダウン。後方から#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が迫り、コントロールラインの数十メートル手前で逆転してトップでチェッカーを受けた。しかしドラマはこれで終わらなかった。GT500クラスと同じく#18 UPGARAGE NSX GT3が車検で車両規定違反があったとして失格に。トラブルを抱えスロー走行で2番手チェッカーを受けた#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTが繰り上げ優勝となった。

次戦、SUPER GT第7戦は10月14日・15日の日程で大分県・AUTOPOLISを舞台に開催される。

■SUPER GT第6戦SUGO、GT500クラス決勝結果(トップ10)
1. #8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)
2. #23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
3. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
4. #1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
5. #24リアライズコーポレーションADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)
6. #14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
7. #36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
8. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
9. #3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
10. #37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)

■SUPER GT第6戦SUGO、GT300クラス決勝結果(トップ10)
1. #52埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2. #20シェイドレーシングGR86 GT(平中克幸/清水英志郎)
3. #6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)
4. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
5. #4グッドスマイル 初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)
6. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)
7. #50 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河)
8. #96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
9. #10 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき)
10. #56リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(JP・デ・オリベイラ/名取鉄平)

GT500クラス表彰式(順位は暫定)《撮影 益田和久》 2位の#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)《撮影 益田和久》 3位の#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)《撮影 益田和久》 4位の#1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)《撮影 益田和久》 GT500クラススタートシーン《撮影 益田和久》 GT300クラス優勝の#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)《撮影 益田和久》 GT300クラス2位の#20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)《撮影 益田和久》 GT300クラス3位の#6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)《撮影 益田和久》 GT300クラススタートシーン《撮影 益田和久》