「カーオーディオ・プロショップ」にて組み上げられたサブウーファーボックスの一例(製作ショップ:ガレージショウエイ<高知県>)。Photo by 太田祥三

カーオーディオ機材の取り付け作業をDIYにて実行したいと考えるドライバーが増えつつある。当コーナーではそういった方々に向けて、取り付け作業のポイントを解説している。現在は、サブウーファーボックスの製作方法を紹介している。

今回は、製作手順の説明を一旦休止して、材料について説明したい。

結論から入ると、サブウーファーボックスの製作においては「MDF」が使われることが多い。「カーオーディオ・プロショップ」でも、多くの場合「MDF」にて製作している。

ところで「MDF」とは、「Medium Density Fiberboard」の略称で、日本語では「中質繊維板」とか「中密度繊維板」と呼ばれている。分かりやすく言うとつまりは、「細かく粉砕した木を板状に成形したもの」だ。

で、「MDF」が「サブウーファーボックス」の材料として使われることが多いのは、まずは「加工がしやすいから」だ。板として適度な強度がありながらもカットがしやすい。さらには、繊維が滑らかなので表面や切断面も滑らかだ。結果、きれいに仕上がりやすい。また、湿気や気候によってサイズが変化する率も低めだ。つまり寸法安定性が高い。

ただし、水分を吸いやすいという弱点がある。とはいえサブウーファーボックスに使う場合は、そのことを気にする必要はほぼない。トランクに置かれることが多く、雨風にさらされることはないからだ。

ちなみに、より堅い「合板」が使われることもある。サブウーファーボックスには高い強度が求められるので、その点においては堅い材料の方がアドバンテージを発揮する。しかし「合板」は加工がしにくいのがデメリットだ。また、表面が「MDF」のように滑らかではない点もマイナス要素だ。

で、問題は「厚み」だ。どのくらいの厚さのものが向いているのかというと…。これはいろいろな考え方があるので一概には言えないが、「カーオーディオ・プロショップ」では、15mm、18mm、21mmあたりの「MDF」が使われることが多いように見受けられる。なお、先述したとおり強度が重要なので、より厚い板を使った方がより高性能な「サブウーファーボックス」に仕上げやすくなる。しかし厚くなるほど加工はしにくくなる。その2点を天秤にかけて選択しよう。

ところで「MDF」にも、実は種類がいくつかある。強度や耐久性を考えると、ある程度高級なものの方が安心して使えるはずだ。そのあたりについては販売店等でリサーチを。

今回は以上だ。次回は、組み上げにおけるコツを紹介していく。お楽しみに。