優勝した#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)《撮影 益田和久》

三重県・鈴鹿サーキットで27日、SUPER GT第5戦 鈴鹿GT450kmレースの決勝レースが行われ、#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)がポールトゥウィンを飾った。

全8戦で争われる今季のSUPER GTは、5戦目を迎え後半戦に突入。チャンピオン争いは#3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が46ポイントでトップに立ち、5ポイント差で#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が追う展開となっている。3位以下は20ポイント以上差が開いているが、後4戦での挽回まだまだ可能。そのためにも第5戦は重要な一戦となる。

前日の予選では#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)がポールポジションを獲得。2番手が#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、3番手が#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、4番手が#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)と、トップ4にNSX-GT勢が3台入る結果となった。

決勝レースは約450km、77周。SUPER GTは隊列を整えて走行しながらスタートを切る「ローリングスタート」方式が採用されており、上位は順位の変動なくスタートが切られた。レースが動き出したのは12周目。ストップしたマシンがありFCY(フルコースイエロー=一定の速度で前後の車両との差を保って走行)が提示される直前にトップの#16 ARTA MUGEN NSX-GTがピットイン。11位に落ちたがまだピットインをしていないトップとの差は30秒に抑えることが出来た。

全車が1度目のピットインが終わった30周目時点で#16 ARTA MUGEN NSX-GTはトップに返り咲き2位の#23 MOTUL AUTECH Zに30秒以上の差をつけていた。そこから約10秒後方の3位争いは熾烈で、#3 Niterra MOTUL Z、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)、#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)、#100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)、#17 Astemo NSX-GTの5台が僅差で激しく順位争いをしていた。

上位の2度目のピットストップは42周目に始まった。今回は2位の#23 MOTUL AUTECH Zが最初にピットイン。トップの#16 ARTA MUGEN NSX-GTはその翌周にピットに向かった。

義務付けられている2度目のピットストップが終わると、トップは#16 ARTA MUGEN NSX-GT変わらずだが、2位の#23 MOTUL AUTECH Zはトップとの差を約10秒にまで縮めていた。3位は2位から14秒離れて#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraで、激しい3位争いは変わらず、#17 Astemo NSX-GT、#14 ENEOS X PRIME GR Supra、そして順位アップに成功した#38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が僅差で3位争いに加わっていた。

最終的に#16 ARTA MUGEN NSX-GTはその差を保ったままトップでゴール。今年無限から引き継いだ2台目のARTAチームとして初優勝を飾ったとともに、Honda NSX-GT勢にとって今季初優勝となった。

2番目にチェッカーを受けたのは#23 MOTUL AUTECH Zだったが、レース後に車両規定違反が見つかり失格に。代わって2位に上がったのは#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。3位は#14 ENEOS X PRIME GR Supraとなった。

今シーズン限りの引退を表明しており、鈴鹿ラストランとなった立川祐路のZENT CERUMO GR Supraは6位。先週のスーパーフォーミュラの大クラッシュから復活したが、規則で前日の予選を走行できなかった牧野任祐の#100 STANLEY NSX-GTは7位でフィニッシュした。

■GT300クラスはFCY直前にピットインしてトップに立ったUPGARAGE NSX GT3が優勝
GT300クラスはポールポジションからスタートした#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が速く、ピットストップのタイミング以外はほぼトップをキープしていた。しかし41周目に2度目のピットストップを終えていた#61 SUBARU BRZ R&D SPORTに対し、45周目に出された2度目のFCYの直前に2度目のピットストップを行った#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)と#87 Bamboo AirwaysランボルギーニGT3(松浦孝亮/坂口夏月)が先行。さらには#88 JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)にも前に行かれ、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTは4位に転落した。

レース終盤、#18 UPGARAGE NSX GT3と#87 Bamboo AirwaysランボルギーニGT3は激しいトップ争いを展開。#88 JLOCランボルギーニGT3を抜いた#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが15秒あった差を徐々に詰めたが追い付くには至らず、最終的に#18 UPGARAGE NSX GT3が開幕戦に続く今季2勝目を飾った。

2位は#87 Bamboo AirwaysランボルギーニGT3、3位は#61 SUBARU BRZ R&D SPORTの結果だった。

次戦、SUPER GT第6戦は9月16日・17日の日程で宮城県・スポーツランドSUGOを舞台に開催される。

■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT500クラス決勝結果(トップ10)
1. #16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)
2. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
3. #14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
4. #17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
5. #1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
6. #38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
7. #100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
8. #64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)
9. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
10. #36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)

■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT300クラス決勝結果(トップ10)
1. #18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)
2. #87 Bamboo AirwaysランボルギーニGT3(松浦孝亮/坂口夏月)
3. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
4. #88 JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
5. #4グッドスマイル 初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)
6. #31 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)
7. #2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)
8. #96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
9. #27 Yogibo NSX GT3(岩澤優吾/伊東黎明)
10. #50 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫)

優勝した#16 ARTA MUGEN NSX-GTの大津弘樹(左)と福住仁嶺(右)《撮影 益田和久》 2位の#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)《撮影 益田和久》 2位、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛(左)と中山雄一(右)《撮影 益田和久》 3位の#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)《撮影 益田和久》 4位の#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)《撮影 益田和久》 スタートシーン《撮影 益田和久》 GT300クラス表彰台《撮影 益田和久》 GT300クラス優勝の#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)《撮影 益田和久》 GT300クラス2位の#87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)《撮影 益田和久》 GT300クラス3位の#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)《撮影 益田和久》