マセラティ・グラントゥーリズモ 新型の「トロフェオ」と「フォルゴーレ」《photo by Maserati》

マセラティ(Maserati)は7月12日、2ドアクーペの『グラントゥーリズモ』新型を7月13日、英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」に出展すると発表した。

ブランド初のEVの「フォルゴーレ」と、内燃エンジン搭載の高性能グレード「トロフェオ」の2台を出展する。

◆EV版はトリプルモーターで760psのパワー
ブランド初のEVの『グラントゥーリズモ・フォルゴーレ』には、3つのモーターを搭載し、システム全体でおよそ760psのパワーを引き出す。バッテリーの蓄電容量は92.5kWh。バッテリーパックは、車両のフロア下にT型に配置されている。

グラントゥーリズモ・フォルゴーレは、世界最高峰のEVレースのフォーミュラEで培われたテクノロジーを導入して開発された800ボルト技術をベースにしている。出力300kWの強力な永久磁石モーターを3基搭載し、優れたパフォーマンスを追求している。

バッテリーの放電容量は560kWで、これにより連続的におよそ760psのパワーをタイヤに伝達することが可能になった。最大トルクは137.6kgm。このバッテリーの仕組みと配置により、スポーティさを損なうことなく、車高を1353mmに抑えることができたという。0〜100km/h加速2.7秒、最高速325km/hの性能を可能にしている。

◆1回の充電での航続は最大450km
グラントゥーリズモ・フォルゴーレは、1回の充電での航続が最大450km(WLTPサイクル)に到達する。急速充電を利用すれば、航続100km分のバッテリー容量を5分で充電できる。

Tボーンと呼ばれるバッテリーパックの形状は、マセラティの「ゼロ・コンプロマイズ(妥協を一切しない)」アプローチの一環。バッテリーモジュールをシート下に配置せず、主にセンタートンネル周辺に移動させることにより、車高を大幅に下げることに成功したという。

技術的な構造面では、アルミニウムやマグネシウムなどの軽量素材と、高性能スチールの両方を使用している。この複数の素材を使用するという手法には、新しい製造プロセスが必要。その結果、クラス最高の重量レベルを実現した、と自負する。

このアプローチは、最大 0.002秒の速度で送信される canFDメッセージに基づく新しいアトラス・ハイ電気/電子構造と組み合わされている。また、レベル5の高度なサイバーセキュリティと「フラッシュ・オーバー・ザ・エア」機能を備えている。その支柱となるのが、マセラティが自社開発した「VDCM(ビークル・ドメイン・コントロール・モジュール)」マスターコントローラーだ。これは、あらゆる状況下で最高のドライビング体験を実現するために、重要な車両のシステムを360度コントロールするソフトウェアで構成されている。

◆最大出力550hpのV6ツインターボを積む「トロフェオ」
新型グラントゥーリズモの内燃エンジン搭載車には、新世代V6「ネットゥーノ」(Nettuno、ネプチューン)が採用された。これは、スーパーカーの『MC20』にも積まれている3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンだ。

新型グラントゥーリズモには、高性能グレードのトロフェオが設定される。すでにトロフェオは、『グレカーレ』、『ギブリ』、『レヴァンテ』、『クアトロポルテ』に用意されている。

新型グラントゥーリズモのトロフェオには、新世代の3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンのネットゥーノの高出力版を搭載する。最大出力は550hpに強化された。トランスミッションは8速AT。駆動方式はAWDとなる。0〜100km/h加速3.5秒、最高速320km/hの性能を備えている。

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