日野プロフィア《写真提供 日野自動車》

排ガスなどの検査データの不正問題で経営危機に見舞われている日野自動車が、2023年3月期の決算を発表。売上高は円安効果と東南アジアなどの海外販売が好調で、前年比で3.3%増の1兆5073億円と、増収となったものの、最終的な損益(純利益)が、過去最大となる1176億円の赤字(前年は847億円の赤字)だったという。

きょうの各紙も「日野自動車赤字1176億円、過去最大」(朝日)などと報じているが、最終損益の赤字が拡大したのは、検査データの不正問題を受けた仕入れ先や、顧客に対する補償費用などで922億円の損失を計上したことが影響しているようだ。

一方、今年度の業績予想については、国内での補償費用に一定のめどがついたことや、本社工場の跡地を一部売却し、さらに、主力大型トラック『プロフィア』の出荷を再開するなど、損失の計上もピークを越えたから、最終損益は100億円の黒字に転換する見込みのようだ。

決算説明会はオンラインで開かれたが、決算発表の後で小木曽聡社長は、今後の経営方針として「日野の目指す姿」についても言及。これまでの「量を追い求めた経営」が一連の不正をまねいたという反省からも、中期経営計画「チャレンジ2025」で掲げた「数値」目標は旗を下ろし、「総合品質と人の成長を最優先に、いま一度、原点に戻りお客様に向き合って再度信頼されることを目指す」などと述べた。言うは易く行うは難しにならなければいいが……。

2023年4月27日付

●人口70年に8700万人、3割減推計、外国人1割超、出生率下方修正(読売・1面)

●ホンダEV4車種発売、26年までに、TSMCと協業(読売・8面)

●「広告トラック」統一規制、4都県・5政令市検討へ(読売・30面)

●民間船月着陸果たせず、減速できず衝突、高度測定にズレ(朝日・3面)

●日野自動車赤字1176億円、過去最大性能偽装で特損計上(朝日・7面)

●豊田織機に行政処分、国交省排ガス試験不正で(毎日・6面)

●電動車世界販売1000万台超、昨年56%増、日本は普及遅れ(産経・10面)

●経営者変われば日本変わる、経済同友会新代表幹事・新浪剛史氏に聞く(東京・6面)

●自動運転向け高精度センサー、TDK、生産能力倍増へ(日経・1面)

●中国車市場、主役は自国勢、EV販売、BYD伸長/VW低調(日経・12面)

●VWと戦略提携解消、日野自、今期は最終赤字に(日経・15面)

●日本IBM椎名氏死去、外資系財界人の草分け(日経・15面)

●ホンダ・三部社長に聞く「EV分社化も選択肢」(日経・17面)

●ガソリン、2週連続下落(日経・19面)

日野プロフィア《写真提供 日野自動車》