トヨタ ハリアーに装着したミシュラン プライマシーSUV+《写真撮影 山本佳吾》

『プライマシーSUV+』快適性と安心感の向上を体感
ミシュランのSUV向けのニューモデル、『プライマシーSUV+』を栃木県のクローズドコースで試乗した。プライマシーSUV+のコンセプトは、「快適性と高速安定性を両立したプレミアムコンフォートSUVタイヤ」だ。

静粛性を高めるトレッドブロックデザインによりパターンノイズが27.9%も低減するとともに、スタビリティ・グリップ・サイプでブロック剛性を確保しており、車両重量のあるSUVでもしっかり支える高速安定性とハンドリング性能を両立。さらに、シリカをより多く配合した新コンパウンドとU字溝、フルデプスサイプを採用したトレッドパターンにより、ウェットブレーキ性能が約8.2%も向上しているという。

こちらはM+Sが刻印されておりブランドも異なるが実質的な前身といえる『プレミアLTX』の225/65R17サイズを装着した『ハリアー』で乗り比べた。

外周路で乗り比べてほどなく、乗り心地のしなやかさが違うことと、静粛性が一段高いところにあることがわかる。コンセプトどおり快適性ではだいぶ上回る。加えて、操舵に対する動きの正確性も違うことを体感。レーンチェンジでは、ステアリングを切ったとおり素直に応答し、もどしたときの揺り返しが小さく、収まりがよいことがわかった。それも快適性と安心感に寄与することはいうまでもない。

数値には旧モデルとの差がくっきりと
ついで、ブレーキング路でウェットブレーキング性能を比較。GPSを駆使した機器を装着した車両で、全開加速して概ね100km/hに達したところから目印の地点でフルブレーキングし、停止するまでの時間と距離と減速Gをそれぞれ2回ずつ調べたところ、その差は歴然としていた。

まずプレミアLTXからトライしたところ、1回目は2.5秒で27.5m、減速Gは平均0.9 Gで最大1.0 Gという結果で、2回目も同じく2.5秒で27.4m、0.9 Gと1.0 Gという結果となった。ついでプライマシーSUV+では、1回目が2.2秒と24.1m、1.0 Gと1.1Gと、すべて向上。2回目もやはり、2.2秒で24.3m、1.0Gと1.1Gとなった。

制動時間、距離ともに実に1割以上も縮まったことになるのはたいしたもの。実際のフィーリングも、ウェットながらベタッと路面に接地している感覚があり、ABSの制御もより細かくつまむような感じで、感触としてはだいぶ違うなと思ったら、やはりそのとおりで、しかも1回目と2回目の差がとても小さかったことも印象的。これならリアルな雨のドライブでも安心感をもたらしてくれることに違いない。

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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