三菱電機《写真撮影 高木啓》

最近よく使われる「SDGs」やサスティナブル(Sustainable )という言葉は、「持続可能な」や「ずっと続けていける」という意味があるが、三菱電機のように不正行為のサスティナブルは言語道断で呆れ返る。

鉄道車両向け製品などの不正検査が相次いで発覚した三菱電機が、弁護士らでつくる品質不正問題に関する調査委員会がまとめた3回目の中間報告書で、新たに101件の不正行為が確認されたという。

調査委は昨年7月から全国22か所の生産拠点について、不正がないかどうかを調査。すでに昨年12月には中間報告として第2報を発表していたが、今回の報告では兵庫県などにある15製作所(工場)で新たに101件の不正・不適切行為が判明し、国内生産拠点の7割にあたる16工場の148件に拡大した。ただ、調査対象のうち、調査が完了していない疑わしい案件は2割弱残っており、全容解明にはなお時間がかかるようだ。

きょうの各紙も「三菱電機新たに101件、製品不正、全製作所の7割」(朝日)や「三菱電機不正拡大148件」(産経)などと大きく報じている。このうち、朝日と毎日、日経は解説記事を経済面などで取り上げているが、朝日は「進まぬ風土改革、社長『組織ぐるみ』認める」、毎日も「遠い信頼回復,『不正が当たり前に』」。そして日経は「規範意識が欠如、効率偏重、統治改革阻む」などと、タイトルを見るだけでも、信頼回復の道はなお険しいことがうかがえる。

2022年5月26日付

●三菱電機不正新たに101件、国内拠点7割で確認(読売・8面)

●海外観光客受け入れへ、コロナ水際対策、政府、2万人の枠内で(朝日・3面)

●ガソリン補助「上限」超え続く(朝日・8面)

●革新機構も東芝買収検討、戦略公募30日まで受け付け(毎日・6面)

●排ガス減らす運転助言、損保ジャパン、専用アプリ(日経・7面)

●電車向け水素供給拠点、JR東とENEOS駅周辺など(日経・12面)

●アフリカ事業を拡大、いすゞ、南アに47億円投資(日経・12面)

●自動車値上げで明暗、1〜3月期も日米独13社の純利益(日経・14面)

三菱電機:再発防止策を含む3つの改革《資料提供 三菱電機》