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東日本から西日本の広い範囲で8日は記録的な大雨となり、道路をはじめ交通に大きな影響が出た。国土交通省が発表した8日12時現在の気象状況では、東日本から西日本に停滞している前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となり、前線の活動が活発になっている。

国交省の8日14時30分の発表によると、高速道路、直轄国道などの通行止めおよび被災状況は次の通り。

高速道路の被災による通行止めは11路線12区間:旭川紋別自動車道、中国自動車道(2区間)、岡山自動車道、高知自動車道、山陽自動車道、東九州道、阪神高速道路北神戸線、九州自動車道、舞鶴若狭自動車道、広島呉道路、北近畿豊岡自動車道。雨量規制などによる通行止めは16路線17区間となっている。

直轄国道における被災などによる通行止めは14路線40区間、地方道路公社の被災による通行止めは2路線2区間。都道府県・政令市道における被災による通行止めは計560区間。7日の発表と比べて、高速道路、直轄国道などの通行止め区間は解除が増える傾向だが、都道府県・政令市道における通行止め区間は増えている。

高速バスは、86事業者で494路線運休、5事業者で5路線一部運休。路線バスは、42事業者で222路線運休、28事業者で65路線一部運休となっている。

西日本高速道路(NEXCO西日本)が7日18時00分現在でまとめたところでは、同社の災害箇所は39か所。そのうち6か所は復旧までに相当な時間を要する見込みだという。重篤被災箇所は、山陽道河内IC〜本郷IC(土砂流入)、山陽道志和IC〜広島東IC(土砂流入)、中国道新見IC〜北房IC(のり面崩落)、高知道新宮IC〜大豊IC(土砂流出に伴う橋梁上部工流出)、九州道新門司IC〜小倉東IC(のり面崩落)、東九州道椎田南IC〜豊前IC(のり面崩落)。

国交省の8日14時30分の発表によると、8日12時までの24時間に高知県宿毛市で383.5ミリ、岐阜県下呂市で272.0ミリ、鹿児島県さつま市で205.5ミリの雨量を観測し、多くの観測点で7月の1位の値を更新した。愛媛県、高知県、岐阜県に大雨特別警報を発表しており、重大な災害が既に発生、または、発生のおそれが著しく高まっており、最大級の警戒が必要、とする。さらに国交省では、特別警報を解除した地域、あるいは、特別警報を発表していない地域についても、厳重な警戒を呼びかけている。

気象庁が8日22時40分に発表した気象情報では、西日本に停滞していた前線は活動が弱まり、西日本と東日本の雨は弱まったものの、これまでの記録的な大雨により、西日本を中心に引き続き土砂災害の危険度が高くなっている地域がある、とする。気象庁では、9日朝にかけて、土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけている。