2位に入った#8 タナク(トヨタ)。《写真提供 TOYOTA》

世界ラリー選手権(WRC)第4戦は現地6〜8日、フランスのコルシカ島を舞台に開催され、「トヨタ・ヤリスWRC」を駆るオット・タナクが今季開幕戦以来の2位に入った。優勝は王者セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)。圧勝で今季3勝目を飾っている。

ターマック(舗装路)戦の「ツール・ド・コルス」。3台のヤリスWRCで戦うトヨタ勢は、チーム代表のトミ・マキネンが「あまり良いスタートではなかったです」という競技初日の滑り出しだったが、2日目を終えて#8 オット・タナクが2位、#9 エサペッカ・ラッピが4位と、上位に2台が進出する展開へと好転する(#7 ヤリ-マティ・ラトバラはリタイア)。

そして最終日(3日目)、#8 タナクはポジションを守ってフィニッシュを迎え、開幕戦以来の2位、自身とトヨタにとっての今季最上位タイを記録した。#9 ラッピはパンクによるタイヤ交換で時間を失い、最終結果は6位に。しかしラッピは最終のパワーステージ(*)でトップを獲る活躍を見せており、トヨタ勢は尻上がりの流れでコルシカ戦を終えている。

*パワーステージ:ラリーの最終結果とは別に、ステージ順位に対してドライバーズポイントが付与される。

トミ・マキネン代表のコメント(ラリー最終日終了後)
「チーム全員が今回の結果を喜んでいます。オット(タナク)は本当に素晴らしいリザルトを残しました。エサペッカ(ラッピ)は残念ながら表彰台こそ逃しましたけれど、昨日はとても良い走りでした。(チーム全体として)初日はやや苦戦しましたが、その後の2日間のパフォーマンスは本当に素晴らしかったと思います。我々は常に学びを続けていますし、今回学習した多くのことは、きっと次のターマックラリーで助けになるでしょう」

2位 #8 オット・タナクのコメント
「全体的にはとても良い週末だった。今回は限界まで攻めることはせず、常に良いリズムで走ることを心がけていたのだが、最後から2番目のロングステージでは本当にクリーンな走りを実践し、限界近くまで攻め続けた。それが良い結果につながったと思う。トヨタのマシンで臨んだ最初のフルターマックラリーの(2位という)結果に満足しているよ」

好感触を得てコルシカを去ることができたトヨタ。だが、このラリーでは、現在シリーズタイトル5連覇中の#1 セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)が他を圧倒する強さで今季3勝目を挙げている。フィエスタをドライブするようになって2年目、いよいよ本来の強さを発揮しつつある印象の現役最強王者オジェに選手権争いでどう食い下がっていくか。これはこの先、トヨタ、ヒュンダイ、シトロエン勢の共通課題となってきそうだ。

今回の3〜4位はヒュンダイi20クーペWRC勢で、3位が#5 ティエリー・ヌービル、4位に#6 ダニ・ソルド。5位はフォード・フィエスタWRCの#2 エルフィン・エバンス。

前戦に続き今季2度目のWRC参戦となった2004〜12年チャンピオン、#11 セバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)は競技初日にコースアウト、そこでデイリタイアを喫し、最終結果は14位だった。今季は3回のパートタイム参戦を予定しているローブ、当初のプラン通りならば、3度目の登場は10月のスペイン戦となる。

WRCの次戦第5戦はアルゼンチンが舞台。4月26〜29日に開催される。

2位に入ったタナク(右)と、コ・ドライバーのM.ヤルヴェオヤ(左)。《写真提供 TOYOTA》 トヨタのトミ・マキネン代表。《写真提供 TOYOTA》 #9 ラッピ(トヨタ)は6位。《写真提供 TOYOTA》 優勝した#1 オジェ(フォード)。《写真提供 Red Bull》 優勝したオジェ(右)と、コ・ドライバーのJ.イングラシア(左)。《写真提供 Red Bull》 3位の#5 ヌービル(ヒュンダイ)。《写真提供 Red Bull》 #11 ローブ(シトロエン)は今回14位。《写真提供 Red Bull》