タジマEV 設立会見《撮影 小松哲也》

モンスター田嶋こと、タジマモーターコーポレーションの田嶋伸博会長兼社長が新たに電気自動車(EV)事業会社を設立することになった。田嶋氏は3月26日に都内で会見し「EVのピンとキリの両方でナンバーワンを目指す」と意気込みを語った。

新会社はタジマEVの名称で4月4日に設立する。タジマモーターコーポレーションでは2017年に解散したSIM-DriveのEV先行開発事業を引き継ぐ格好で、すでにEV事業を行ってきているが、新会社設立を機に全面移管する。田嶋氏は新会社の会長兼社長も兼務する。

田嶋氏は会見で「事業方針としては、我々が思う日本の最高の技術、一流の方々の技術を結集して最高性能のハイパーEVで、世界に日本の技術をアピールしたいと思っている。もうひとつは、最適で便利なクルマ、いわゆるマイクロEVを我々は普及させていきたい」と語った。

その上で「(ハイパーとマイクロEVの間となる)マスの部分については大手自動車メーカーにお願いして、私どもは最高性能のところ、言葉でいうとピンの方と、それから最適、便利なクルマということでキリの方の、いわゆるピンとキリのイメージで事業を考えている。EVのピンとキリの両方でナンバーワンを目指していきたいと思っている」と述べた。

それぞれの車両開発にあたっては外部の協力を仰ぐ。このうちハイパーEVに関しては「デザインはKEN OKUYAMA DESIGNに担当してもらう。また世界でリチウムイオン電池を開発した小澤和典(オザワエナックス代表取締役)さんが設計、提案するバッテリーをモンスターバッテリーの商標で搭載する。さらに東京大学大学院の堀・藤本研究室と共同開発している四輪独立制御を採用する」とした。

一方、マイクロEVでは「今、問題になっている買い物困難者であったり、ガソリンスタンドの廃業に伴うガソリン入手困難者の方々を、なんとかマイクロEVでお手伝いできないかということで開発している」とし、ダイヘンの非接触充電システムやオザワエナックスの電池の採用や、販売やサービス面でヤマダ電機や石油元売りのネットワークを活用するとしている。

またマイクロEVを使って「ラグビーワールドカップが開催されるエコパスタジアム(静岡県袋井市)での自動運転の実証試験を静岡県と一緒に取り組む」という。

さらに田嶋氏は「設計、デザイン、開発は日本で行うが、量産については世界中の一番良いものを速く安く造ってくれるところと提携していきたいと考えており、すでに海外に数社のパートナー候補がある」と明かしていた。

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