三菱ふそう eキャンター《写真提供 三菱ふそうトラック・バス》

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は8月17日、2023年内に南米チリへ導入予定の電気(EV)小型トラック『eキャンター』新型を、首都サンティアゴ市で開催したイベントで披露した。

MFTBCは、2022年9月に日本にて発表したEV小型トラック eキャンターを、南米市場初となるチリへ投入する。チリはペルーに次ぐ南米最大規模の海外市場。車両総重量(GVW)6.5トンから8.55トンまでの5型式を用意し、多様なビジネスニーズを満たす架装に対応する。バッテリーはホイールベースに応じて1個から最大3個まで搭載可能なモジュール式を採用。1回の充電で最大200kmの航続距離を実現した。また、チリ向けeキャンターには衝突被害軽減ブレーキ「アクティブブレーキアシスト5」や「アクティブサイドガードアシスト1.0」など、先進安全機能を標準搭載する。

FUSOブランドのトラックとバスは2011年以来、現地販売代理店Kaufmann社および同社が保有するディーラー網によりチリで販売。『キャンター』は同国の小型トラックセグメントで18%のシェアを占め、現地での存在感を維持してきた。チリ政府は、2045年までに貨物輸送用車両の新車販売を100%ZEV(ゼロエミッションビークル)に移行する目標を含む「エレクトロモビリティ国家戦略」を掲げている。公共の充電スタンドが増加しているほか、EVに対する税制上の優遇措置もあることから、eキャンターを含むEVトラックの普及は今後も拡大すると予想される。

輸送業界でのEV化が加速する中、Kaufmann社とMFTBCはeキャンター導入により、同国でのFUSOブランドのさらなる成長を目指す。