GMは11月17日、EV専用工場の「ファクトリー・ゼロ」の開所式を米国で開催した。バイデン大統領も出席し、GMの全車電動化の未来に向けたコミットメントにおいて、大きな節目を迎えた、としている。
◆ハマーEVやシボレーシルバラードEVを生産
GMは2020年、ミシガン州デトロイトのハムトラミック工場に22億ドルを投資して全面改修し、さまざまなフル電動ピックアップトラックやフル電動SUVを生産すると発表した。それから2年足らずで、ファクトリー・ゼロでの生産が開始される。
ファクトリー・ゼロでは、ピックアップトラックのGMC『ハマーEV』、SUVのGMC『ハマーEV SUV』、ピックアップトラックのシボレー『シルバラードEV』、自動運転専用車の『クルーズ オリジン』のほか、現時点で未発表のEVの生産が予定されている。フル稼働時には、2200名以上の雇用を創出する見通しだ。
GMはファクトリー・ゼロを、人、製品、プロセスに対するGMの数十億ドル規模の米国投資の集大成に位置付けている。
◆新工場製のEVは「アルティウム」バッテリープラットフォームがベース
ファクトリー・ゼロで生産されるすべてのEVは、GMのEV商品戦略の中心となる「アルティウム」バッテリープラットフォームをベースに開発される。アルティウムバッテリープラットフォームには、共通の車両アーキテクチャに加えて、バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパック、ドライブユニット、EVモーター、統合パワーエレクトロニクスなどのコンポーネントが含まれており、EV生産工場の基盤となっている。
GMは、アルティウムバッテリープラットフォームを通じて、機械、工具、組立工程の共通化と合理化を図ることで、車両組み立て工場のネットワーク全体でバリューチェーンの戦略的シフトを追求している。このような柔軟性によって、組み立て工場でさらなる改修が行われた場合でも、設備投資を抑え、より効率的な対応が可能になるという。
EVへの移行期間中に、既存の生産工場ネットワークを刷新するGMの取り組みは、時間の短縮にもつながっている。工場の立ち上げと生産開始を早めることで、新型EVをより短い期間で顧客に届けることが可能になる。ピックアップトラックのGMCハマーEVの場合、今秋に「ファクトリー・ゼロ」で試作車両の製造が開始された。ハマーEVの量産第一号車は、2021年内に顧客に納車される予定だ。
◆2025年までに30車種以上のEVを世界市場に投入
GMはバーチャルツールを活用し、生産技術部門と連携することで、ファクトリー・ゼロでの生産開始までの期間を2年から1年未満に短縮した。これに対して、組み立て工場を新たに計画し建設する場合、用地の選定から車両の生産開始まで、最大で4年かかるという。
GMは、EVの組み立て工程の80%が、従来の車の組み立て工程と同じと見込む。これも、GMのスピードの原動力になっている。GMは過去数十年にわたり、独自の標準化された生産工程を改良し、完成させてきた。今後はより早く、高品質・低コストでEVラインアップの拡充を図っていく。
GM、EV専用工場「ファクトリー・ゼロ」開所…ハマーEVは年内納車開始へ
2021年11月19日(金) 09時36分
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