海運から道路インフラへ 新天地に踏み出す小畠徹新社長(26日・東日本高速本社)《撮影 中島みなみ》

東日本高速は26日、株主総会で小畠徹氏(66)を新社長に選任した。小畠氏は現NSユナイテッド海運社長だが、明日の同社株主総会で退任の予定。同日、東日本高速の就任会見を行った。

「根底を支えるのは、安全をすべてに優先させながら、お客様第一を貫こうという一人ひとりの思い。私はこの思いをみなで共有しながら、それぞれが積極果敢に業務に取り組むことができるように、ネクスコ東日本グループをよりよい企業に、先頭に立って前進していく」

社長就任の打診は今年3月。

「初めての世界でどうしようかと思ったが、あまり迷うことなく、初めての世界でチャレンジしてみようという気持ちが強く、お受けした」

海運準大手のNSユナイテッドは、新日鉄住金と日本郵船の関連会社。鉄鉱石や石炭、豆類をバラ積みする専用海運で、陸上とは無縁だったが、自身の役割をこう評した。

「社長が1人の力で何かができることはまずない。全体の力を集めることが事業を前に進めたり、新しいことができると経験的に知っている。自分で旗を立てていくのも大事かもしれないが、役職員から意見・考えを聞いて、集約していくことがトップのやること。これはどの組織も変わらない」

さらに、東日本が特別法に位置付けられた特殊会社である点については、こう語った。

「会社法以外の特別法で制約を受けている。料金など認可事項が非常に多いので一般的な上場企業とは違う。ただ、他の上場会社とはKPI(重要業績評価指標)のウエイトが違うとしても、みんなで達成すべき目標を目指すべきだと思う。公益性の高い業務であることを理解し、顧客満足度を高い次元で達成することが目標になると考えている」

高速道路会社が新たな収益の柱として確立させることを目論む海外展開については「高速鉄道も話題になるが、高速道路のマネージメント、運営管理についてもほかの国に提供できる技術・ノウハウがあるのではないか。新興国に対して、協力ビジネスとしてできるかを関心高く考えている」と、述べた。