警報機や遮断機の設置されていない、いわゆる「第4種踏切」を走行していたクルマと、通過中の列車が衝突する事故が起きた。この事故でクルマは軌道外にある水田へ弾き飛ばされ、運転者が死亡している。

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16日午後5時50分ごろ、佐賀県小城市内にあるJR長崎本線の踏切で、踏切内に進入してきた乗用車と、通過中の普通列車が衝突する事故が起きた。この事故で乗用車を運転していた女性が死亡している。

佐賀県警・小城署によると、現場は小城市三日月町金田付近(鍋島〜久保田駅間)にある踏切で、警報機や遮断機は設置されていない。乗用車は列車の通過直前に踏切内へ進入してきたところ、通過中の下り普通列車(鳥栖発/肥前山口行き、3両編成)と衝突した。

クルマは約50m押し出され、最終的には線路脇の水田に落ちて中破。運転していた同市内に在住する29歳の女性は近くの病院へ収容されたが、全身強打でまもなく死亡。列車の乗客乗員約70人にケガはなかったという。

現場は見通しの良い直線区間。警察の聴取に対して列車の運転士は「非常ブレーキを掛けたが、間に合わずに衝突した」などと話しているようだ。警察ではクルマ側が踏切進入時の安全確認を怠ったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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教習所では「踏切前では必ず一時停止を行い、窓を開けて列車が接近していないかどうかを確かめる」として教わるが、これは踏切に警報機や遮断機が設置されていなかった頃の名残りだ。今はそうした踏切の方が少なくなってきているが、交通量の少ない地方ではまだまだ残っているところもある。

鉄道会社側は「減らしたい」と思っていても、設備設置は資金面から難しく、結果としては「廃止」へ向かうことになるのだが、長年通行してきた地元民にしてみれば「廃止されると不便になる」として反対することも目立つ。