マツダ CX-60(参考画像)《写真提供 マツダ》

経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長との労使トップ会談が行われ、2023年の春闘がスタートした。十倉会長は「物価動向を特に重視し、企業の社会的責務として賃金引き上げのモメンタムの維持・強化を呼び掛けている」と説明。芳野会長も「未来をつくり替える手段は賃上げを基本とした『経済の好循環』の再構築にほかならない」と強調。賃上げ幅を巡る議論は避けられたが、賃上げの必要性での認識は一致したようだ。

きょうの各紙も「春闘スタート、賃上げ率どこまで、労使トップ会談」(読売)や「物価高見通せぬ賃上げ」(朝日)、「賃上げ労使協調で一致」(毎日)などのタイトルで報じている。

また、社説でも朝日は「企業は大幅な賃上げで働き手に報い、長年の賃金低迷に終止符を打つ必要がある」と訴えたほか、東京も「労組は不退転の覚悟で」との見出しで、「今春闘は労組の存在意義をかけた闘いでもある。掲げた目標を必ず勝ち取ってほしい」とも。

連合は、春闘で定期昇給を含めて5%程度の賃上げを要求しているが、こうした中、マツダの労働組合が2023年の春季労使交渉でベースアップ(ベア)に相当する「賃金改善分」と定期昇給に相当する「賃金制度維持分」の総額で月1万3000円を要求する執行部案を固めたという。きょうの日経が報じているが、要求ベースの賃上げ率は約4%。年間一時金は5.3カ月分を要求。

マツダの業績は急回復しており、賃上げ要求は昨年を大きく上回り、現在の人事制度になった03年以降で最高という。年間一時金の要求も、5.4カ月分を求めた18年以来5年ぶりの水準となるそうだ。

自動車などの大手企業の集中回答日は3月中旬に予定されているが、、掲げた目標どおりに“満額回答”となるのか、労使交渉の行方を見守りたい。

2023年1月24日付

●春闘スタート、賃上げ率どこまで、労使トップ会談 (読売・2面)

●「ジェット機超え」高速輸送実験、IHIエアロ社、無人機にロケット搭載 (読売・29面)

●経済政策「期待できぬ」73%、本社世論調査、内閣支持35% (朝日・1面)

●半導体不足、車生産なお混乱、トヨタレクサス受注制限納車数年先も (朝日・6面)

●細る自動車整備、低賃金仮眠10分で深夜まで (朝日・6面)

●GSユアサとホンダが協業、EV用電池 (毎日・7面)

●今冬一番の寒気が襲来「列島10年に1回」 (東京・1面)

●マツダ労組4%賃上げ要求(日経・15面)

●粗鋼、4年連続1億トン割れ、昨年の国内生産、車向け低迷、2年ぶり減(日経・15面)

マツダ本社(広島)