隅々まで高音質化を…メルセデスベンツ Cクラス 後編[インストール・レビュー]

高音質化を徹底追求する伊藤さんのメルセデスベンツ『Cクラス』。フロントスピーカーには定評のあるモレル・スプリーモ602を中心に3ウェイ化。愛知県のLEROY(ルロワ)による高品質な取り付けでスピーカーの能力を引き出している。

◆お気に入りのモレルのスピーカーを選び
音質重視のコクピットインストールを完成
フロントステージの中心となるのはモレルの高級モデルとなるスプリーモ602。ミッドレンジであるCDM880IIを加えた3ウェイ構成で狙い通りの高音質サウンドを引き出す。オーナーの伊藤さんの意向から徹底して高音質を狙い、ユニット選びからインストールまでに気を配って作り上げたコクピットとなった。

以前からモレルのオーナーだった伊藤さん、今回のCクラスでも好みのサウンドを再現すべくモレルをインストールしている。しかし完成して車内で聴いた印象は以前のクルマとは異なっていたという。

「以前乗っていたクルマで聴くモレルの音は比較的派手な傾向でパリッとした音の傾向だったのですが、今回はさらに聴きやすくなったのが印象的です。モレルらしさを感じさせる柔らかい音に仕上がっていて、同じユニットでも取り付けるクルマによってサウンドの傾向がかなり変わることがわかったのも発見でした」

取り付け面では派手さを追求するのでは無くスピーカーの能力を引き出すサウンドにこだわった作り込みが施されている。ミッドバスはドアにアウターバッフルによる取り付け。ドア前部を部分的に処理する手法で、後部のポケット部分は残しつつ造形されているのがわかる。コクピットの純正内装とのつながり感もスマートで美しい仕上がりとなった。

◆Aピラーとドアミラー裏の造形がスマート
ミッドレンジ&スマートを美しくインストール
中高域のスピーカー群はAピラーとドアミラー裏にインストールされている。ツイーターとして用いられるモレルのピッコロIIはドアミラー裏にパネルをワンオフしてビルトイン取り付けされる。ドアを閉じた際にはピタリとAピラーと面が合う構造も美しい。生地を張って仕上げられたフォルムは純正イメージをそっくり投入したスマートなフィニッシュだ。

さらにミッドレンジであるモレルのCDM880IIはAピラーにビルトイン取り付けされる。ピラーに対してはやや径の大きいミッドレンジながら、ピラーのアウトラインをわずかに膨らませることでユニットを違和感なく収めているのが見どころ。ピラーの広い範囲を使って滑らかにプレスラインを設けてスピーカーユニットを融合させている処理も手が込んでいる。ここでも車内との癒合がテーマ、上質感ある取り付けがオーナーもお気に入りのポイントとなった。またセンタースピーカーはイートンのスピーカーへと換装されている。取り付けは純正位置で、見た目のスマートさも秀逸。

取材時点ではフロント3ウェイ+センタースピーカーのインストールからまだ日が浅かったため、今後は再調整を重ねてさらに熟成を重ねていくという段階だった。伊藤さんの好みのサウンドを完成させるべく、さらなるサウンドチューニングが進む予定だ。

◆カーオーディオ用の高音質DAPの導入など
システムデザインの隅々まで高音質化を徹底
主な音源に用いているのはiBassoのDAPであるDAP300 APEX Tiだ。このモデルはカーオーディオに最適化されたDAPで高音質に加えて充電機能・自動再生モード等を可能にするカーモードを装備しているのも特徴のユニット。好みのサウンドを奏でるスピーカーを中心としたシステムデザインで高音質化を狙ったオーナー、最後の仕上げとして導入したのがこの高音質DAPだった。

プロセッサーとして用いるヘリックスのDSPウルトラ。操作部&表示部であるダイレクターはセンターコンソール前部にあるフタ付きのスペースにビルトイン取り付けされている。操作性も視認性も良いスペースで使い勝手がよさそうだ。取り付けの美しさも抜群。

ここまでのハイエンドなシステムを構築しながらも、さらなる高音質化に余念が無い伊藤さん。取材当日もルロワで光城精工の車載用ボディアース強化ボックスVE-01をテスト試聴し、すぐさま愛車に取り入れている。今後もますますサウンドをブラッシュアップして、思い描いた方向性の高音化を狙っていく予定予定だ。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

Cクラスに乗り換えると、以前のクルマで使用していたユニットの載せ替えやインストールを実施して高音質化を目指す。 モレルのスプリーモ602のミッドバスをドアにアウターバッフルでインストール。 アウターバッフルはドアの形状に合わせたスムーズなラインが特徴。ドア後部のドアポケットも生かした作りとしている。 コクピットはあくまでも純正イメージをキープした加工でスマートさを強調。違和感なくまとめるのがテーマとなった。 Aピラーにはミッドレンジをインストール。ドアミラー裏にツイーターをワンオフパネルで取り付ける手法を採用している。 センタースピーカーも純正位置へイートンのスピーカーを取り付けている。 DAPにはカーオーディオでの利用に最適化したiBassのDAP300 APEX Tiを導入して高音質化と使いやすさを追求した。 ダイレクターはセンターコンソール前部のこの位置にビルトイン取り付け。違和感の無いコクピットまわりを徹底して作る。 取材当日に光城精工の車載用ボディアース強化ボックスVE-01を試聴した上で、早速システムアップを果たした。 高音質であることをトコトン追求していくのが伊藤さんの狙い。「聴き心地の良い音」をまだまだ追求いていく。