星野朝子副社長《写真撮影 高木啓》

日産自動車は11月28日、全面改良したミニバン『セレナ』を今冬から順次販売を開始すると発表した。内外装を一新するとともに、ミニバン初となるハンズオフできる運転支援システムプロパイロット2.0を最上級グレードに採用したことなどが特徴。

日産の星野朝子執行役副社長は同日都内で開いた発表会で「新型セレナは30年間受け継いでいる『ビッグ・イージー・ファン』というコンセプトを継続し、室内空間の広さや利便性、快適性はもちろんのこと、家族のための最先端の技術も搭載して、家族とのお出掛けを思いっきり楽しめる、そんなミニバンとして、技術の日産ならではの先進技術を搭載して進化を遂げている」と紹介。

その進化について星野副社長は「新開発のe-POWER専用エンジンと組み合わせた第二世代のe-POWERの静粛性と快適なドライビング性能、ミニバンとして世界初搭載となるハンズオフもできる最先端運転支援システム『プロパイロット2.0』による長距離でも安心してドライブできる楽しさ、さらに様々な技術の積み重ねで車酔いを軽減するなど、運転する人も乗る人も安心してドライブが楽しめる」と述べた。

第二世代e-POWERに関して黒田和宏チーフビークルエンジニアは「エンジンはe-POWER専用、つまり発電専用に新規開発した。パワーアップしたモーターと最先端の制御技術を組み合わせてセレナ専用のe-POWERユニットを搭載した。排気量を1.2リットルから1.4リットルに拡大することで発電能力を向上し、その分回転数を下げて静かなエンジンにしている」と解説。

また車酔い軽減について黒田氏は「新型セレナのためにクルマ酔いのメカニズムを研究した」と明かした上で「結果、2つのポイントが大事であることがわかった。ひとつは急な頭の動きをさせないこと。2つめは視界を広くとり平衡感覚を働きやすくすること。つまりクルマを静かに滑らかに見晴らし良く走らせたいということ」に辿り着いたという。

このため新型セレナでは「剛性が高く高性能なサスペンションがクルマの挙動を穏やかにする。カーブでクルマが傾く時になるべくゆっくりと動かすようにした。そしてシートはクルマの揺れを乗員の頭に伝えないように、しっかりと体幹を支える。子供たちが乗ることの多い2列目からの視界にもこだわった。広々とした視界と工夫されたモニター配置により景色を目に入りやすくした。平衡感覚を働きやすくして酔い難さを追求した」と黒田氏は説明。

また先代セレナで初搭載された運転支援システムプロパイロットは「新型は全車標準装備。そしてハンズオフドライブを実現する最先端の運転支援技術プロパイロット2.0をトップグレードのルキシオンに採用した」と黒田氏は述べていた。

新型セレナの価格は2WD仕様が276万8700円から479万8200円で、まずガソリンモデルを今冬に発売し、e-POWERモデルは来年春からの販売開始を予定している。

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