エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》

あまり知られてない事実。実はJAL(日本航空)国際線ビジネスクラスのシート「JAL SKY SUITE」には、あの浅田真央も愛用するエアウィーヴのマットレスパッドが使われている。その数、なんと8200枚。

JAL国際線ビジネスクラスにこのエアウィーヴ マットレスパッドが入ったのは2013年。その翌年2014年にはファーストクラスにもエアウィーヴが採用された。

そこから10年が経ようとするいま、エアウィーヴと日本航空は、このマットレスパッドを更新する計画を打ち出し、これまで廃棄されていた寝具類を発想転換し、JAL国際線ビジネスクラス エアウィーヴ マットレスパッド8200枚をすべて完全リサイクルすることを決めた。

10月4日に都内で両社が発表し、エアウィーヴの高岡本州代表取締役会長兼社長と日本航空の鈴木啓介執行役員 カスタマー・エクスペリエンス本部長 ブランドコミュニケ―ション担当が登壇。JAL国際線ビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE」+エアウィーヴの実機も展示した。

◆水平リサイクルで再製品化、品質や寝心地もアップデート
JAL国際線ビジネスクラス エアウィーヴ マットレスパッド 全8200枚 完全リサイクルの流れはこうだ。まず日本航空側でエアウィーヴマットレスパッドを回収。リサイクル場までエアウィーヴが輸送し、そこでまずエアファイバー(中材)とカバーに分割。エアファイバーは洗浄しリペレット化、新たなポリエチレンを追加し新たなエアウィーヴ用エアファイバーへと再製品化する。カバーは古布として回収し繊維リサイクルへと回す。

ここで注目したいのは、再製品化されたときの“進化”。従来の厚さ2cmのエアファイバーが、再製品化されると2.5cmになり、厚さが5mmアップする。また、腰の部分を硬めにすることで、理想的な寝姿勢とされる背骨のS字カーブをキープし、腰の負担を軽減。

エアウィーヴ高岡代表は、「たとえばJAL国際線ヨーロッパ線はウクライナを避けるように、いま所要時間が15時間ほどかかる。この『水平リサイクル』でマットレスパッドの厚さがアップし、さらに快適な寝心地を実現。ファーストクラスのモデルに近い快適性へアップデートした」という。

◆寝具リサイクル率は2%以下、JALとの協業で業界に革新
エアウィーヴ高岡代表はさらに、「いま都内は1日280トンの粗大ごみが出ている。自動車や家電はリサイクル関連規制で整備されているが、寝具には規制がなく構造も複雑なため、リサイクル率は2%以下にとどまっている」とし、こう伝えた。

「寝具のリサイクルは事業者だけじゃなく、利用者(事業者)も協力して実現させていかなければならない。現状では廃棄よりもコストが3割ほど上がるが、いずれはコストが下がるようにしていきたい。今回の日本航空との完全リサイクル化は、その第一歩」(エアウィーヴ高岡代表)

エアウィーヴは、こうした寝具の完全リサイクル化の前に、2020東京オリンピックの選手村に導入されたベッド1800床のリサイクルも実現させている。マットレスパッドなどは洗浄・リペアを経て、JR東海やJR九州の宿舎などに転用された。「かけ布団類はほとんど、選手や関係者が各国へ持ち帰った」という。また、ベッドの骨格として使われたダンボール類は、古紙回収され再びダンボールに再生させた。

JAL国際線ビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE」に、再製品化された新しいエアウィーヴマットレスパッドが、ことし2022年内に登場するというから、楽しみ。

エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》 エアウィーヴと日本航空、JAL国際線の寝具を完全リサイクル化へ《撮影:編集部+日本航空・エアウィーヴ》