原産幅の大きかったマツダCX-5《写真提供 マツダ》

まだ6月というのに記録的な連日の炎暑とはあべこべに、日本経済を支える550万人の雇用にも影響を及ぼす最近の自動車の生産状況はお寒いかぎり。

きょうの日経などが報じているが、それによると、トヨタ自動車など国内乗用車メーカー8社がまとめた5月の世界生産は、前年同月比0.3%減の160万1000台。前年実績を下回るのは3カ月連続で、中国・上海市などのロックダウン(都市封鎖)で日本の完成車工場などへの部品が滞り、各社が減産を強いられたことが響いているようだ。

また、単月の世界生産台数としては、東南アジアでの新型コロナの感染拡大の影響を大きく受けた2021年9月(154万6000台)以来の低水準。5月は大型連休があるため国内工場の稼働日が少なく、例年、他の月より生産台数は少ないが、新型コロナ感染が広がる前の19年5月に比べても3割超のマイナスだったという。

メーカー別では8社のうち6社が前年の同じ月を下回った。減少率を比べると、ダイハツ工業が31%減、マツダが23%減、ホンダが14%減と二桁の落ち込みとなったほか、三菱自動車工業が6%減、トヨタが5%減、SUBARUが2%減。一方、スズキは前の年に主力市場のインドでの生産が大きく落ち込んだ反動から、全体で2倍強に生産台数が増えたほか、日産自動車も1%の微増。

このうち、8社の5月の国内生産台数は、16%減の計39万6433台となり、10か月連続でマイナス。トヨタが部品不足から国内工場の稼働を一時停止した影響で28%減の14万4204台。ダイハツ工業が54%減の2万8905台、マツダも30%減の3万4651台で、いずれも工場の稼働停止が響いたという。

上海での外出制限は6月1日に解除されたが、その後もトヨタやダイハツなどが6月に入っても、工場の稼働を一部、停止。しかも、7月も減産を検討しているメーカーもあり、生産の正常化が見通せない状況はしばらく続くとみられている。

2022年6月30日付

●参院選、争点「景気・雇用」1位、「外交・安保」2位、候補者アンケート(読売・1面)

●円安一時137円台、24年ぶり(読売・2面)

●株主総会集中日、企業不祥事厳しい声(読売・11面)

●自動車世界販売16%減(朝日・9面)

●ワーゲン・アウディ11万台リコール(毎日・20面)

●ガソリン3か月ぶり高値、174円90銭(産経・11面)

●株主総会、三菱電機「信用失墜」品質不正に批判噴出(産経・11面)

●首都高料金改定で渋滞緩和、深夜、迂回割引が効果(産経・26面)

●中国「50万円EV」急減速、原料高で値上げ算入増え競争激化、中価格帯が主戦場に(日経・15面)

●スズキのインド新工場、年産100万台体制に、25年稼働、現地能力4割増(日経・16面)

トヨタ自動車元町工場《写真提供 トヨタ自動車》