フィアット Eドブロ《photo by Fiat》

フィアットは『Eドブロ』(Fiat E-Doblo)を欧州で発表。同時発表された新型『ドブロ』のEV版で、シトロエン『ベルランゴ』のEV『eベルランゴ』をベースにしたOEMモデルになる。

◆室内スペースや機能は内燃エンジン搭載車と同じ
Eドブロは、FCAとPSAグループの統合で誕生したステランティス傘下ブランドのシナジーを生かして、シトロエンeベルランゴのOEMモデルとして登場した。フロントマスクはフィアット専用デザインとなっており、ベルランゴと異なるデザインのグリルの下に、「FIAT」のロゴが添えられた。

内燃エンジン車の新型ドブロにはない「マジック・プラグ」が用意される。マジック・プラグを使うと、バッテリーによって生成された電気エネルギーを、荷室の冷蔵庫や電動工具用の電力として利用できる。

バッテリーパックはフロア下に搭載される。これによる構造上の変更は、内燃エンジン搭載車に対して、行われていない。Eドブロは、内燃エンジン搭載車と同じ室内スペースや機能、カスタマイズ性を備える。Eドブロの最大積載量は800kgとクラストップレベル、と自負する。欧州の規格のユーロパレットを、最大で2個積載することができる。

◆30分でバッテリー容量の80%を充電可能
EVパワートレインはeベルランゴと共通だ。モーターは、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生する。最高速は135km/hとした。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は50kWh。1回の充電での航続は、最大280km(WLTPサイクル)を確保している。バッテリーは、最大出力100Wで急速充電できる。これにより、30分でバッテリー容量の80%を充電することが可能になる。

センターコンソールのスイッチによって、「P、R、N、D」を切り替える。エコ、ノーマル、パワーの3つの走行モードを設定できるセレクターを使用して、トランスミッションを制御する。それぞれのモードは、車両の運転時のレスポンスを変更し、車両の性能を最適化する。エコモードは電費性能を重視し、パワーモードは走行性能を重視したモードになるという。

◆ショートボディとロングボディの2種類を設定
航続を最大化するために、ブレーキや減速中のエネルギーを回収し、バッテリーに蓄える。センターコンソールの「B」ボタンを押せば、回生ブレーキが強めに作動する。

ショートボディ(全長4400mm)とロングボディ(全長4750mm)の2種類を設定した。「マジック・カーゴ」を使用すると、荷室の容量を0.5 立法m増やすことができる。パイプやはしごなどの長尺物を、最大で3.4mの荷室スペースに積載することが可能だ。さらに、助手席側のシートを持ち上げて、下のコンパートメントに収納することができる。必要に応じて、キャビンをモバイルオフィスに変えるために、回転式のトレイテーブルを装備することも可能だ。

フィアットブランドは電動化戦略を継続している。フィアットは2024年までに、ヨーロッパのすべての新型モデルにEVを用意し、2027年からフルラインでEVを提供することを目指している。eベルランゴをベースにしたOEMモデルのEドブロのラインナップは、その戦略の一環になる、としている。

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