トヨタ自動車元町工場(クラウン)《写真提供 トヨタ自動車》

巷では大型連休が終わったばかりなのに、再び最長で6日間の“連休”とは羨ましい限りだが、どうも事情を聞けば、喜んでもいられないようだ。

トヨタ自動車が、国内の8工場14ラインで5月16日から21日に稼働を一時停止するという。背景には中国・上海でのロックダウン(都市封鎖)により部品供給が滞っているためという。この結果、5月の世界生産台数はこれまで約75万台と公表していたが、5万台少ない約70万台に落ち込む見通しだ。

トヨタが発表したもので、きょうの各紙も「トヨタ国内8工場停止、最長6日、上海封鎖で供給網混乱」(日経)などと大きく報じているが、トヨタが上海のロックダウンを理由に国内工場を停止するのは初めてという。

稼働停止の期間が最も長いのは、スポーツ用多目的車(SUV)『ランドクルーザー』などを生産しているトヨタ車体の愛知県の吉原工場での6日間。高級ブランド「レクサス」を生産するトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県)でも、第1ラインで3日間、第2ラインで5日間、それぞれ追加で停止するという。

さらに、愛知県豊田市の元町工場でも5日間にわたり、一部ラインの稼働を停止。『クラウン』やミニバンの『ノア』『ヴォクシー』のほか、燃料電池車(FCV)の『ミライ』、電気自動車(EV)の『bZ4X』が影響を受けるそうだ。

トヨタはきょう(5月11日)の午後1時30分から2022年3月期 決算説明会をオンライン会見で開く予定だが、長引く半導体不足や新型コロナの感染拡大による中国でのロックダウン、さらにロシアの攻撃が激化しているウクライナ侵攻など予測不能の中で、出席予定の今健太副社長らが今期の業績見通しをどう説明するのかも注目したい。

2022年5月11日付

●社説、EV競争激化、日本の出遅れどう挽回するか(読売・3面)

●トヨタ今月70万台に減産、16〜21日国内8工場ライン停止(読売・8面)

●山手線客乗せ自動運転、JR東、10月に実証実験(読売・8面)

●ソニー営業益1.2兆円、3月期PS5販売は目標届かず(朝日・8面)

●鉄鋼2社V字回復、日鉄最高益トヨタ向け値上げ奏功(朝日・9面)

●企業、円安長期化見込まず、為替想定120円以下が8割、今年度(日経・3面)

●中国EV、供給過剰の懸念、稼働率50%割れ予想も(日経・10面)

●米にEV電池の新工場、パナソニックHDが検討、テスラに供給(日経・14面)

●日本車大手5社ロシア工場停止、マツタも4月下旬までに(日経・14面)

●ヤマトHD、30年までにEV2万台(日経・14面)

●「N-BOX」が4カ月連続首位(日経・15面)

●日産、営業益上振れ、前期、米で奨励金減少(日経・17面)

●三菱自、純利益1%増、SUV堅調も原料高逆風、今期(日経・19面)

●高齢運転者試験を公開、警視庁、13日開始、信号無視や逆走で不合格(日経・36面)

トヨタ・ランドクルーザー《写真提供 トヨタ自動車》 トヨタbZ4X《写真提供 トヨタ自動車》