COP26(11月10日)《Photo by Ian Forsyth/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

「脱ガソリン車」か、どうかを選ぶのは消費者の勝手なのだが、英国で開かれている「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」では、2040年までに走行時に二酸化炭素(CO2)を出さない「ゼロエミッション車」へ転換する宣言に、開催国の英国をはじめ、スウェーデンやカナダなど23か国と米GMやフォード、独ダイムラーなど大手自動車メーカー6社が合意したという。

ただ、日本や米国、ドイツ、中国のほか、トヨタ自動車はじめ、国内初の「脱エンジン」を掲げたホンダなど日本メーカーも個別企業としては合意を見送ったそうだ。

きょうの各紙も「新車40年CO2ゼロ、23か国合意、日米中独、賛同せず」(朝日)、「脱ガソリン車20か国超合意、EV移行、日中米独不参加」(毎日)などと1面準トップで報じているほか、総合面や経済面にも詳しく解説した記事を取り上げている。

それによると、朝日は「日米中独など主要国や大手6社ほかのメーカーは参加を見送ったが、地域や企業を巻き込んだEV(電気自動車)シフトは確実に進んでいる」と伝えた。

一方、毎日は「欧州主導EV懐疑」とのタイトルで「販売禁止の対象にはハイブリッド車(HV)も含まれるが、大多数が参加を見送ったことで、欧州が主導してきた急進的なEVシフトの難しさがかえって浮かび上がった形だ」。さらに、解説記事では「深刻化する地球温暖化をどう防ぐか。自動車業界にその『覚悟』は見られなかった」と指摘。「脱炭素社会へ向けた方向性や理念は共有できても、責任を持って行動できる保証はなく『理想』に『現実』が勝った決着とも言える」とも。

国や自動車メーカー、さらにユーザーまでが「ゼロエミッション化」をめぐって「賛同派」、あるいは「非賛同派」との間で見苦しい対立が激しくなれば、モラルに欠けるような「分断」が進んでしまうことが懸念される。

2021年11月11日付

●第二次岸田内閣発足、経済対策困窮学生に10万円 (読売・1面)

●EV普及日米欧共同計画、充電インフラ整備促進 (読売・2面)

●エンジン替えEVに転換、パナなど実験(読売・6面)

●EVシフト加速、ボルボ賛同「業界鈍かった」トヨタ「署名いまは困難」 (朝日・3面)

●ガソリン169円10週連続値上がり(朝日・9面)

●輝く富士多摩モノレールから、運営会社見える時間・区間をサイトに(朝日・25面)

●脱ガソリン車20か国超合意,EV移行 日中米独不参加(毎日・1面)

●マツダの減産、20万台に拡大、続く部品調達難 (毎日・6面)

●運転データで事故防止、東京海上・デンソー、開発へ (日経・9面)