「SUPER FORMULA NEXT 50」記者会見《写真提供 日本レースプロモーション》

全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する株式会社日本レースプロモーションは25日、国内トップフォーミュラカテゴリーにおける“次の50年”を見据えた中長期的なビジョン「SUPER FORMULA NEXT 50」を発表した。

SDGsやカーボンニュートラルが叫ばれている中、国内のトップフォーミュラのレースとして知られているスーパーフォーミュラも、参戦するメーカーやドライバーをはじめとする各パートナーと協力して、レースをより魅力的なものにしていく。

国内トップフォーミュラは1973年の全日本F2000選手権の開幕から数えて、2022年でちょうど50周年を迎える。その節目に合わせて、「SUPER FORMULA NEXT50(ゴー)」と題したプロジェクトを発足。ドライバーによりスポットが当たる「ドライバーズファースト」がビジョンが掲げ、モビリティとエンターテイメントの両軸で技術開発や情報発信を行っていく。

まずはカーボンニュートラルへの対応として、来シーズンから現在使用してい化石燃料に代わる“カーボンニュートラル・フューエル”の導入を進めるため、2022年からテストを開始していく。各大会が行われる前の木曜日や金曜日にテストを行い、そこでの進捗状況もメディアやファンに向けてオープンにしていくという。

さらに、国内のみならず世界中のファンにもレースをより深く楽しんでもらうために、新しいデジタルプラットフォームの構築を進めていく。具体的にはスマホのアプリで全ドライバーのオンボード映像を自由に選択し視聴できるようにするほか、スピードをはじめとした車両に関する情報も見られるようになるほか、無線交信についても全チーム公開になる。

これについては、最終的には有料コンテンツとなっていくのだが、導入初年度となる来年は無料で提供されるとのことだ。

これらのプロジェクトを円滑に進めていくためにデロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー合同会社がストラテジーパートナーとして参画することも明らかにされた。

今回の記者発表は、東京・青山にあるホンダウエルカムプラザで開催され、日本レースプロモーションの中嶋会長とNEXT50プロジェクトリーダーの上野禎久氏をはじめ、 本田技研工業株式会社執行職ブランド・コミュニケーション本部長の渡辺 康治氏、トヨタ自動車株式会社執行役員 GAZOO Racing Company プレジデントの佐藤恒治氏も登壇。 さらにトークセッションではTCS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴、KCMGの小林可夢偉と両メーカーを代表するドライバーも登場し、メーカーの垣根を超えて、一致団結してスーパーフォーミュラの発展に努めていくこと発表会となった。

日本人初のF1フル参戦ドライバーとしても知られる中嶋会長は「今回の『SUPER FORMULA NEXT 50』は、私たちが愛するモータースポーツを、未来の子どもたちの憧れとして残していくためのチャレンジです。そのために従来のやり方や考え方に捉われず、積極的に新しい声やアイデアに耳を傾けて、様々な分野で改革していきたいと思います。ホンダ、トヨタはじめ、業界の垣根を越えて、このチャレンジに賛同いただける皆様、応援いただけるファンの皆様と、これからの新しいSUPER FORMULA をつくってまいりますので、ぜひともご期待ください」と記者会見で挨拶した。

ドライバーのふたりも、スーパーフォーミュラが、若い子たちが目指してくれるような夢のある場にしていきたいと、このプロジェクトに向けた抱負を語った。

「こういう“変われる”チャンスは、そう滅多に来ないと思います。だから、このタイミングで変わらないといけないという気持ちはあります。同時に、そう簡単にいかないなとも思っています。モータースポーツが、ただクルマを走らせるという認知だけでなく、もっと細かいことしているとか、ドライバーがアスリートとして理解されるように、僕もドライバーとしてしっかりと発信しながら、来年からもスーパーフォーミュラとともに、しっかりとモータースポーツへの貢献、盛り上げをやっていきたいなと思います」(小林可夢偉)

「目標を掲げることは簡単なことだと思いますが、それを具現化して、実行させることは非常に難しいと思います。このNEXT50プロジェクトが来年から始まりますけど、初年度からファンの皆さんが求められているようなレベルに行けるかどうかは、正直分からないですが、より良いシリーズにしていけるように僕たちも頑張っていきたいです」(山本尚貴)

プロジェクトの進捗具合や各施策については、詳細が決まり次第、順次発表されていくこととなる。

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