乗客が着席前であることをAIが検出し、その結果を運転席付近に表示《写真提供 フジクラ》

フジクラ、山梨交通、エジソンエーアイの3社は、AIを用いた路線バスの乗客安全監視システムの実証実験を10月18日より山梨県甲府市にて開始する。営業走行中の路線バスでのAIを用いた乗客監視エッジコンピューティングの実証実験は日本初となる。

バス車内で発生する事故のうち65%は、加減速時に車内を移動する乗客の転倒によるもので、特に高齢者に多い事例となっている。今回の実証実験では、車内カメラの映像をもとに、独自開発したAI画像解析システムを使って乗客の姿勢を解析した結果を運転手にリアルタイムで伝える仕組みを、実際に運行する路線バスに搭載する。

同システムでは、乗客が着席前であること、着席が完了したこと、走行中に立ち上がったことなどをAIが検出し、その結果を運転席付近に表示する。運転手はバスを安全に発車できるほか、走行中に立ち上がった乗客に注意を促すことが可能。車内での転倒事故抑止が期待される。

なお同システムは、運転手の補助だけでなく、運転手がいない自動運転の路線バスへの応用も目指しており、本実験は、将来の自動運転社会への備えとなる。また、主要な公共交通機関の1つである路線バスを、高齢者などの転倒リスクが高い人でも安心して利用できるものとするための取り組みという側面を併せ持つ。

乗客の着席が完了したことを検出し、その結果を運転席付近に表示《写真提供 フジクラ》 走行中に立ち上がった乗客を検出し、その結果を運転席付近に表示《写真提供 フジクラ》