ヤマハ MT-07 ABS《写真提供 ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機は8月5日、2021年1〜6月期(第2四半期累計)の連結決算を発表。二輪をはじめ、全事業で需要が回復し、大幅な増収増益となった。

前年3月から新型コロナウイルス感染症が全世界に拡大し、販売台数や生産が減少したが、当期はその影響が緩和し、全事業で需要が回復。売上高は前年同期比34.2%増の9201億円となった。営業利益は増収に加え、販売単価の増加、リモートなどのデジタル活用による固定費削減、貸倒引当金の減少などの結果、物流費や原材料費高騰の影響を吸収。同471.9%増の1092億円と大幅な増益となった。

経常利益は同454.8%増の1151億円、純利益は931億円(前年同期は28億円の損失)となった。

セグメント別の業績を見ると、ランドモビリティは売上高が同38.9%増の5959億円、営業利益は448億円(同67億円の損失)となった。先進国二輪車では欧州での需要回復や新商品効果により販売台数が増加。また、北米ではアウトドア・ファミリーレジャーの活況が前年から継続し、オフロード系モデルの販売好調により販売台数が増加し、増収・増益となった。新興国二輪車では、全地域で販売台数が前年を上回り、増収・増益。また、プレミアムモデルの販売増加によるモデルミックス改善が進み、コロナ禍前の2019年比較でも増収・増益となった。

RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル)では、旺盛な需要が継続。販売台数が増加した結果、増収・増益となった。電動アシスト自転車では、公共交通機関の利用を避ける動きから自転車の有用性が高まり、日本向けの完成車や欧州向けE-kitの販売好調が続き、増収・増益となった。

マリンは売上高が同23.3%増の2059億円、営業利益が同73.2%増の440億円となった。アウトドア需要の活況が続き、先進国を中心に船外機やボートの需要が増加。船外機では生産台数の増加により供給量が改善し、販売台数が増加した。ウォータービークルではスポーツボートや海外ボートの販売台数は増加。マリン事業全体では、増収・増益となった。

通期業績見通しについては、良好な事業環境継続や、想定以上の販売回復、経費削減の継続、為替の円安傾向を踏まえ、上方修正。売上高1兆8500億円(前回予想比+1150億円)、営業利益1600億円(同+300億円)、経常利益1650億円(同+300億円)、純利益1120億円(同+220億円)とした。

ヤマハ AX220《写真提供 ヤマハ発動機》