トロバス記念館に保存されている関電トンネルトロリーバス300形301号車《写真提供 大町市》

標高3000m級の山々が連なる北アルプスを貫く、世界有数の山岳観光ルート、立山黒部アルペンルート(長野県大町市〜富山県立山町)。

バス・ケーブルカー・ロープウェイ・鉄道と、さまざまな乗り物を乗り継ぎながらたどるその37.2kmの起点付近、トロバス記念館で8月1日、“トロバス”イベントが開催される。

トロリーバス(トロバス)は、一般的な路線バスと同様の車体に、ディーゼルエンジンなどの内燃機関ではなく、駆動用電気モータで走る、無軌条電車といわれる乗り物。昭和初期から東京や横浜、名古屋、京都などで路面電車に代わるモビリティなどとして、各地を走り始めた。

トロリーバスは、電車につくパンタグラフと同様、トロリーポールと呼ばれる集電装置で架線に流れる電気を取り入れ、駆動用電気モータを回して走る。そんなトロリーバスも内燃機関の台頭で消え、国内では立山黒部アルペンルートの関電トンネルと立山トンネルの2区間だけという時期が続いていた。

しかし長野方の関電トンネルトロリーバスは2018年、電気バス(バッテリー駆動)に役目をゆずり、運行を終了した。いまは立山トンネルトロリーバスが、国内唯一のトロリーバスとして活躍している。

関電トンネルトロリーバスの車体は、全車廃車へと追い込まれると思いきや、300形301号車が廃車を免れ、クラウドファンディングなどを経て「トロバス記念館」に保存されている。

イベント開催日の8月1日は、こうした歴史があるトロバスの誕生日ということで、このトロバス記念館で“お誕生日会イベント”を開くことになったという。

このトロバス記念館“お誕生日会イベント”では、バースデー仕様 風船でいっぱいのトロバス披露や、トロバス制服乗車体験、クイズラリー抽選会(先着200名・参加賞あり)、薪バス「もくちゃん」のお祝い来館(乗車不可)などが行われる。開催時間は、9時30分〜15時30分。

運行終了まぎわの関電トンネルトロリーバス(2018年)《写真提供 立山黒部貫光》 運行終了まぎわの関電トンネルトロリーバス(2018年)《写真提供 大町プロモーション委員会》 運行最終日の関電トンネルトロリーバス(2018年)《写真提供 大町市》 保存のためにクラウドファンディングをはじめるころの関電トンネルトロリーバス《写真提供 大町市》 保存のためにクラウドファンディングをはじめるころの関電トンネルトロリーバス《写真提供 大町市》 関電トンネルトロリーバス100形(初代)《写真提供 大町プロモーション委員会》 黒部ダム《写真提供 大町プロモーション委員会》