自動車・同附属品製造業の倒産 年次推移《図版提供 東京商工リサーチ》

東京商工リサーチは6月29日、「自動車・同附属品の倒産動向(2021年1-5月)」調査の結果を発表。倒産件数はわずか5件、2021年は過去20年間で最少となる可能性も出てきた。

自動車・同附属品製造業の倒産は、2009年にリーマンショックによる急激な世界市場の縮小で71件(前年比195.8%増)に急増。その後、2017年にタカタの民事再生法適用申請で負債総額が一時的に跳ね上がったものの、件数は落ち着いて推移している。2019年は消費増税の影響などから自動車販売台数は落ち込んだものの、EVなど次世代自動車の販売好調が下支えするなどして、倒産は15件と過去20年間で最少を記録。2021年1-5月は5件(前年同期比37.5%減)にとどまり、このペースで推移すると2021年は2019年を下回り、過去20年間で最少件数となる可能性も出てきた。コロナ関連倒産は2020年2月以降、累計2件にとどまている。

世界的なEV化やPHV化の潮流を背景に、次世代の自動車の開発スピードは目覚ましく、サプライチェーンは大きな変革期を迎えている。自動車・同附属品製造の倒産の沈静化は、メーカ支援とコロナ関連融資などの政策支援によるもの。今後も事業領域を広げた支援と、各企業の自立の動きが出てこなければ、転換期を迎えた業界からの脱落は避けられないと見られる。