マツダは5月14日、2021年3月期の連結決算をメディアとの電話会議によって発表した。コロナ禍で期中時点では赤字予想だったものの、営業利益は前期比79.8%減の88億円と、黒字を確保した。減益は3期連続。
今期(2022年3月期)の営業利益は7.4倍増の650億円を予想した。前期のグローバル販売は9%減の128万7000台で、3期続けて減少した。主力の北米は『CX-30』など新モデル効果もあって2%増の40万3000台とプラスになった。市場回復が早かった中国も8%増の22万8000台と高い成長を確保した。一方で欧州は32%減の17万8000台、日本は13%減の17万6000台と苦戦した。
販売減少や構成変化による営業損益での減益影響は1085億円にのぼった。また、前期の為替レートは1ドル106円で前々期から3円の円高となり、営業損益段階での全通貨の減益要因は93億円となった。一方で固定費の圧縮や研究開発費の効率化などによる増益効果は763億円に達した。
純損益は期中から改善を図ってきたが、317億円の欠損(20年3月期は121億円の黒字)となった。第1四半期の操業停止による生産ロスとして205億円を営業損益から特別損失に振り替えている。売上高は16.0%減の2兆8821億円だった。
今期のグローバル販売はすべての地域で拡大させ、9%増の141万台を計画している。半導体の供給不足による減産影響は年間で10万台、出荷減は7万台を見込んだ。そのうえで、純利益は350億円への黒字転換、売上高は18%増の3兆4000億円を予想した。
電話会議で丸本明社長は、前期業績について「コロナ禍による大規模な販売減と生産調整で始まった1年だった。咋年7月公表の通期見通しに対し、販売台数は若干の未達に終わったが、営業利益やフリーキャッシュフローの黒字化は大きな成果だと評価している」と述べた。
今期に関しては「(経営指標の)絶対値での地道で継続的な改善と構造改革の両輪がやっと動き始めたが、決して緩めることなく今期以降も継続して強化していきたい」と指摘した。また、収益レベルは「他社の利益改善と比較するとまだまだ十分でない」とし、「外部環境にも言い訳なく利益を出せる体質に変革することが(26年3月期までの)中期経営計画の期間中に成すべき最重要課題」と強調した。
マツダ 丸本社長「言い訳なく利益出せる体質へ変革を」…今期営業利益は7.4倍増の650億円を予想
2021年05月14日(金) 17時40分
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