(イメージ)《写真提供 写真AC》

日本自動車工業会は12月14日、政府が打ち出した2050年にCO2(二酸化炭素)など温室効果ガス排出の実質ゼロをめざす「2050年カーボンニュートラル」への自動車メーカーの課題と取り組みについて、オンラインでメディア向けの説明会を開いた。

説明会には自工会の三部敏宏環境技術・政策委員会委員長(ホンダ専務兼本田技術研究所社長)が出席した。このなかで三部委員長は、自工会として菅義偉首相が打ち出したカーボンニュートラルの目標について「英断であり、総理方針に貢献するため、自動車業界を挙げて全力でチャレンジする」との方針を表明した。

そのうえで、実現に向けては「画期的なブレークスルーがないと達成は見通せない。欧米や中国と同様に政策的・財政的な措置などの支援が必要」とし、政府によるサポート策を要請した。とりわけ、ブレークスルーにつながる自動車各社の研究開発投資については「年3兆円規模で最大限努力しているが、設備投資も含め支援の維持・拡充をお願いしたい」と、述べた。

また、カーボンニュートラルは「自動車業界だけで対応するのは困難だ。国のエネルギー政策との整合性が必要」と指摘し、電気自動車(EV)など電動車をライフサイクルでもカーボンフリーにするには「カーボンフリーによる電力や水素の供給が大前提になる」と強調した。

さらに、EVや燃料電池車(FCV)といった次世代車の普及には、補助金や減税などによる需要喚起策も必要として、政策の継続や拡充も訴えた。三部委員長は、自動車産業のアプローチには「色々なパス(経路)があるので、今後(経過的な目標である)マイルストーンを定め、政府にも発信していきたい」と語った。マイルストーンの設定時期については、今後詰めていく方針だ。

自工会 カーボンニュートラルへの取り組みポイント(オンライン説明会から)《写真撮影 池原照雄》 自工会 地球温暖化対策長期ビジョン(オンライン説明会から)《写真撮影 池原照雄》 自工会 カーボンニュートラルへの取り組み(オンライン説明会から)《写真撮影 池原照雄》