セブン-イレブン《Photo by Miguel Candela/SOPA Images/LightRocket via Getty Images/ゲッティイメージズ》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「スピードウェイ」といえば、かつてはF1レースの日本グランプリも開かれた、あの富士山麓のサーキット場を思い浮かべる人も少なくないだろう。だが、流通大手のセブン&アイ・ホールディングスが、210億ドル(約2兆2000億円)という巨額を投じて買収するのは、米国でガソリンスタンド(GS)併設のコンビニエンスストアを運営する会社の「スピードウェイ」である。

セブン&アイが発表したもので、各紙が8月3日付の夕刊で報じたほか、きょうも夕刊のない産経が1面トップ、他紙も解説記事を経済面などで取り上げている。

それによると、セブン&アイが傘下に収めるスピードウェイは、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニ部門で、全米で約3900店を展開する業界3位。セブン&アイは、米国で約9000店の「セブン-イレブン」を展開する米コンビニ最大手だが、国内市場が飽和状態になっている中、さらなる成長が期待できる米国での展開を強化する狙いのようだ。

日本企業による海外企業の買収額としては、武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手シャイアー、ソフトバンクグループによる英半導体設計会社ARM(アーム)ホールディングス、日本たばこ産業(JT)による英ギャラハーの買収に次ぐ規模の歴代4位の大型買収になる。

ただ今回、セブン&アイが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く米国での大型買収が買収額に見合うだけの利益が得られるのか、が課題となる。その点については、日経は「ガソリンスタンドの買収はESG(環境・社会・企業統治)に逆行するとの声も根強い」と指摘。毎日も「電気自動車の台頭も懸念材料で、米国でも地球温暖化対策でガソリン車からEVへのシフトが進めば、燃料販売に頼るビジネスモデルは崩壊する可能性もある」と伝えている。コロナ後を先取りした2兆円超の大博打で、GSの燃料が水の泡に変わらなければいいが……。

2020年8月4日付

●日銀企業支援延長を検討、資金繰りコロナ再拡大で(読売・1面)

●日航最終赤字937億円,4〜6月期、破綻前年に次ぐ規模(読売・2面)

●車販売10か月連続減、7月台数13.7%減(読売・9面)

●コスト削減やり遂げれば、三菱自「来期は黒字転換」CEO(朝日・9面)

●ヤフー-LINE統合来春に、コロナ拡大影響審査長引く(朝日・9面)

●コロナ感染4万人超、全国9日間で1万人増(毎日・1面)

●セブン、米3位コンビニ買収、2.2兆円、国内飽和米で展開、今春交渉中断(産経・1面)

●お盆帰省政府ちぐはぐ、西村担当相「慎重に考えて。菅官房長官「一律自粛求めず」(東京・1面)

●東海道新幹線車いす6席、国交相「五輪までに」(東京・6面)

●東京駅「グランスタ」150店舗に拡充(東京・6面)

●ソフトバンクG申告漏れ(日経・1面)

●テスラ「トヨタ超え」なるか、利益の2割超ソフトで稼ぐ(日経・12面)

●フェイスブックへ広告停止、サントリー系・マツダも(日経・12面)

●スズキ純利益96%減、4〜6月17億円、インド販売急減(日経・15面)