ACEA（欧州自動車工業会）は7月16日、2020年上半期（1〜6月）の欧州全域（EU＋EFTA＋UK全30か国）の新車（乗用車）販売結果を発表した。総販売台数は510万1669台。前年同期比は39.5％減と2年連続で前年実績を下回った。
◆ドイツなど5大主要国のすべてが前年割れ
5大主要国では、ドイツが前年同期比34.5％減の121万0622台とマイナスに転じた。フランスは、前年同期比38.6％減の71万5798台と2年連続のマイナス。英国は65万3502台にとどまり、前年同期比は48.5％減と、前年実績を引き続き下回る。イタリアは46.1％減の58万3960台と減少傾向にある。スペインは、50.9％減の33万9853台と2年連続の前年割れだ。
◆市場シェアを25.8％に伸ばしたVWグループ
主要9社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ（アウディ、セアト、シュコダなどを含む）が、前年同期比36.1％減の131万4672台と、2年連続のマイナス。そんな中、上半期の市場シェアは25.8％と、前年同期に対して1.4ポイント伸ばした。主力のVWブランドは39％減の57万6028台、アウディブランドは35.7％減の26万1482台だった。
2位はPSAグループ。上半期実績は、前年同期比45.4％減の75万4969台と、2年連続のマイナスだ。その内訳は、プジョーが40％減の31万6366台。シトロエンは42.7％減の20万4375台とマイナスに転じた。オペルは55％減の21万3893台にとどまる。
3位はルノーグループ（ダチアを含む）。その販売台数は52万4891台。前年同期比は42％減と2年連続の前年割れ。低価格のダチアブランドは、46.7％減の16万6183台と後退した。主力のルノーブランドは、39.3％減の35万7015台と引き続き落ち込む。
◆BMWグループとダイムラーも市場シェアを拡大
4位はBMWグループ（MINIを含む）。上半期は35万6647台を売り上げ、前年同期比は33.7％減。そんな中、上半期の市場シェアは7％と、前年同期に対して0.6ポイント伸ばした。BMWブランドは、前年同期比33.4％減の28万6023台と減少傾向にある。MINIブランドは35％減の7万0624台と、2年連続のマイナスだった。
5位はヒュンダイグループで、上半期は前年同期比36.1％減の35万3026台を販売した。
6位はダイムラー（メルセデスベンツとスマート）。その販売台数は30万5820台。前年同期比は37.8％減と、3年連続のマイナスだ。そんな中、上半期の市場シェアは6％と、前年同期に対して0.2ポイント伸ばした。ブランド別では、メルセデスベンツが32.1％減の29万9488台と減少傾向。スマートは6332台にとどまり、前年同期比は87.5％減とマイナスに転じた。
7位はトヨタグループで、前年同期比27.9％減の29万9819台とマイナスに転じた。市場シェアは前年同期に対して1 ポイント上昇し、5.9％とした。トヨタブランドが28.1％減の27万9221台と引き続き減少。レクサスブランドは24.8％減の2万0598台とマイナスに転じた。
8位はFCA（フィアット・クライスラー・オートモービルズ）グループ（ランチアやアルファロメオを含む）。その販売台数は29万0562台で、前年同期比は46.3％減と、3年連続のマイナス。ブランド別では、アルファロメオが51.8％減の1万4147台と、減少傾向。ランチア（クライスラーを含む）は45.9％減の1万8810台と後退した。主力のフィアットブランドは、44.9％減の21万0017台と減少傾向にある。ジープブランドは、50.2％減の4万5890台とマイナスに転じた。
9位のフォードモーターは、27万3520台を販売した。前年同期比は46.4％減と、3年連続のマイナスだ。
その他の日本メーカーでは、日産が前年同期比41.5％減の12万6992台、マツダは52.6％減の5万9090台、ホンダは51.1％減の3万2585台と、引き続き減少した。三菱は33.9％減の5万4302台とマイナスに転じた。そんな中、三菱は上半期の市場シェアを前年同期に対して0.1ポイント伸ばし、1.1％としている。
