トヨタ・ヤリス《写真撮影 小林岳夫》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

5月に国内で販売された新車台数は、21万8285台で、昨年の同月と比べて44.8%減少したという。このうち、軽自動車は7万307台で同52.7%の減少。減少幅は1968年の統計開始以来、最も大きく、単月では80年1月の5万5395台以来の低水準だったそうだ。

きょうの読売が経済面で「5月新車販売44.9%減、軽は40年ぶり低水準」などと、準トップ記事で大きく報じているが、朝日、毎日はわずか20行ほどの地味な扱いだ。緊急事態宣言下、外出自粛などの影響で来店客は激減し「売れないのは当たり前」とみるのがごく普通で、産経はニュース価値がない判断したのか、きょうの朝刊には見当たらない。

気になるのは、新車販売の歴史的な落ち込みが、果たして新型コロナウイルスの影響だけなのかどうかである。6月以降の見通しとしては、読売によると「徐々に客足が戻りつつあるとの声も聞こえる」(全軽協)とする一方で、日経は「4月と5月の注文数は大きく減った」との声が多く、6月以降の新車販売も「苦戦が見込まれる」と伝えている。

確かに緊急事態は全面解除となったが、第2波を警戒して、東京都など首都圏では6月19日まで他県をまたぐ移動は自粛要請中。しかも、きょうの朝日の1面トップは「4月の生活保護申請件数が前年比3割増」という衝撃的な記事も報じられている。人口が多い「特定警戒都道府県」13都道府県の主な自治体を調査した結果だそうだ。

過去の危機をみると、低価格帯の軽自動車は「不況時には強い」とみられていたが、マイカーを持てない生活困窮に陥る休業者が急増していることも新車販売が低迷する無視できない要因だろう。

2020年6月2日付

●5月新車販売44.9%減、軽は40年ぶり低水準(読売・7面)

●三菱電機社長20%返上、相次ぐ不祥事受け(読売・7面)

●宣言解除初の週末、銀座60%、梅田56%増(読売・25面)

●東証2万2000円台回復、コロナ前の水準、経済再開に期待(朝日・3面)

●交通事故被害者支援へ署名募集、髄液漏れ患者団体(毎日・20面)

●内閣支持率急落36%本社・FNN合同世論調査(産経・1面)

●渋谷駅乗り換え楽々、埼京線新ホーム運用開始、山手線と隣接(産経・20面)

●電通、パソナなどに外注、給付金委託費、法人設立3社で分け合う(東京・1面)

●上場企業赤字1兆円超、1〜3月期、車や鉄鋼など15業種(東京・7面)

●ホンダ、電動車巻き返し、EVと燃料電池車、同一ラインに、量産コスト引き下げ(日経・14面)

●三菱電機営業益81%減、FA機器など主力部門の今期(日経・16面)

●新駅で変わる虎ノ門、日比谷線で6日開業(日経・25面)

●観光地再開一歩ずつ前に(日経・28面)

ホンダN-BOX《写真提供 ホンダ》