トヨタ・ヤリス《写真提供 トヨタ自動車》

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が6月1日に発表した5月の新車販売統計(速報)によると、総台数は前年同月比44.9%減の21万8285台となった。新型コロナウイルスの感染拡大により、4月に続いて大幅な落ち込みとなった。

最近の月次マイナス幅では4月の28.6%減に次ぐものだが、それを更に上回って半減近くまで落ち込んだ。4月はリーマン・ショック後の2009年3月の25.2%減に近いレベルだった。これに対し5月は東日本大震災直後である11年4月の47.3%減に匹敵するところまで減少幅が広がった。

総台数のマイナスは、消費税率が引き上げられた翌月の19年10月から8か月連続となった。このうち登録車は、40.2%減の14万7978台と8か月連続のマイナスで、この間はいずれも2ケタ減となった。ブランド別ではSUVの『ロッキー』の販売が堅調なダイハツが18.7%増と唯一プラスになったほかは、全ブランドがマイナスだった。

このうちSUBARU(スバル)は76.1%減、三菱自動車は75.1%減と、両社は4月に続いて落ち込みの大きいワースト2社になった。このほか、日産自動車(52.0%減)とスズキ(62.8%)も前年の半数に満たなかった。一方で、『ヤリス』などの新モデルを抱え、5月から全系列同一車種扱いとなったトヨタ(レクサス含む)は、33.1%減と最も落ち込み幅が小さかった。ホンダは42.5%減、マツダは46.1%減だった。

一方、軽自動車は52.7%減の7万0307台と、前年の半数以下に落ち込み、8か月連続のマイナスだった。4月(9万8255台)に続いて10万台ラインも割り込んだ。メーカー別では全社がマイナスとなり、マツダの64.1%減が最も大きな減少だった。新モデルが投入された日産は32.7%減と最も小幅な落ち込みにとどめた。

軽自動車の販売シェアはスズキが28.2%と2か月ぶりのトップになった。2位のダイハツは26.3%で、上位2社は30%を割り込んだ。3位のホンダは22.9%と4月(25.5%)に続いて2か月連続で2割台に乗せている。新型コロナの感染拡大による新車販売への影響は当面続く見込みだが、緊急事態宣言の解除で迎えた6月の復元力が注目される。

ダイハツ・ロッキー(左)とトヨタ・ライズ(右)《写真撮影 山内潤也》 ホンダ・フィット《写真撮影 小林岳彦》