AIを工場に導入して塗装品質を向上させるBMWグループ《photo by BMW》

BMWグループ(BMW Group)は5月20日、ドイツ・ミュンヘン工場にAI(人工知能)ソリューションを導入し、塗装品質を向上させると発表した。

塗料ラインには、最先端のろ過技術が採用されているが、最も細かいダスト粒子の含有量は、周囲の空気によって異なる。ダストの含有量が一定の値を超えると、乾燥していない塗料が粒子を捕らえ、車体の塗装の表面を損なう可能性がある。

BMWグループのミュンヘン工場のAIエンジニアは、この状況を完全に回避する方法を見出した。塗装を終えた車体は、自動で塗装表面の検査を受ける。検査で収集されたデータは、ダスト粒子分析のためのデータベースを作成するために使用される。AIを利用して、塗装ブースと乾燥機のダスト粒子センサーからのライブデータを、このデータベースと比較する。

例えば、季節によって異なる塗装の乾燥時間のために、粉塵レベルが上昇する場合、AIはこの傾向を検出し、より早く粉塵フィルターを交換するよう推奨する。このAIを他の分析ツールと一緒に使用すると、さらに細かいパターンを検出できるという。

BMWグループのAIエンジニアは、粉塵粒子の分析に大きな可能性を見出している。多数のセンサーからの情報と塗装表面の検査からのデータに基づいてAIは車体の160か所以上をモニターし、塗装の品質を非常に正確に予測できる。AIエンジニアは、ドイツ・ミュンヘン工場に続いて、他の工場でもダスト粒子の分析を開始する計画だ。

なお、BMWグループは、この革新的なダスト粒子分析技術に関連して、いくつかの特許を申請した、としている。

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