ダイハツ・ロッキー(左)とトヨタ・ライズ(右)《撮影 山内潤也》

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が5月1日に発表した4月の新車販売統計(速報)によると、総台数は前年同月比28.6%減の27万0393台となった。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で大幅な落ち込みとなった。

最近の月次マイナス幅では、消費税率が引き上げられた2019年10月(24.9%)が大きかったが、それを上回っている。月次のマイナスは同月から7か月連続となった。

このうち登録車は、25.5%減の17万2138台と7か月連続のマイナスで、この間はいずれも2ケタ減となった。ただ、直近で最大の落ち込みだった19年10月の26.4%減は、わずかに下回った。ブランド別では販売好調のSUV『ロッキー』を擁するダイハツが26.0%増と健闘した以外は、全ブランドがマイナスだった。

このうち三菱自動車は65.4%減、SUBARU(スバル)は56.0%減と前年の半数に満たなかった。その一方で、新型『フィット』を抱えるホンダは14.2%減、『ヤリス』や『ライズ』などの新モデルが堅調なトヨタは19.8%減と、落ち込み幅が比較的少なかった。

軽自動車は33.5%減の9万8255台となり、7か月連続のマイナスだった。最近で最も落ち込んだ昨年10月の22.3%減もはるかに上回る不振となった。メーカー別では全社がマイナスとなり、三菱自は56.9%減、スズキは45.6%減と落ち込みが目立った。販売シェアはダイハツが31.8%と2か月ぶりのトップになった。2位のスズキは26.5%、3位はホンダが25.5%と上位2社を追い上げている。

新型コロナの感染拡大による新車販売への影響は「4月になって店頭来場者が激減した」(千葉県内のトヨタ系ディーラー)ため、受注活動も急ブレーキとなっている。そうした実情が反映される5月以降の販売実績は、更に深刻化する見通しとなっている。

ホンダ・フィット《撮影 中野英幸》 トヨタ ヤリス(1.5Lガソリン)《撮影 小林岳彦》